ドクタートラストのストレスチェック研究所は8月4日、2021年度にストレスチェックの実施を受託した940の企業・団体の32万4,642人の集団分析データをもとに算出した「健康リスク業種別ランキング」を発表した。

健康リスクとは、仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業などの健康問題のリスクを、標準集団の平均を「100」として示すもの。「仕事の負担・コントロール」リスク、および「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクという 2つの指標をかけ合わせた数値を「健康リスク」となっている。

今回、この健康リスクが最も高い業種は「医療、福祉」であることがわかった。これに、「運輸業、郵便業」、「製造業」、「卸売業、小売業」が続いている。

  • 業種別・健康リスク総合ランキング 資料:ドクタートラスト

総合健康リスクを算出する1つ目の指標「仕事の負担・コントロール」リスクは、個人ごとの仕事量の負担と、仕事量をいかにコントロールできているか、そのバランスがストレスに及ぼす影響を示すものだ。

「仕事の負担」で最も健康リスクが高い業種は「教育、学習支援業」で、以下「宿泊業、飲食サービス業」、「卸売業、小売業」となっている。また、「仕事のコントロール」で最も健康リスクが高い業種は「医療、福祉」で、これに「運輸業、郵便業」が続ている。

一方、総合健康リスクを算出する2つ目の指標「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクとは、職場の上司や同僚とのコミュニケーションがストレスに及ぼす影響を示すもの。

「上司とのコミュニケーション」で最も健康リスクが高い業種は前年度と同様、「運輸業、郵便業」となり、これに「製造業」、「医療、福祉」が続いている。同研究所は、「上司とのコミュニケーションが少ないと小さなミスの報告をしなくなり、しまいには大きなミスへとつながりかねない」との懸念を示している。

  • 業種別・上司とのコミュニケーションランキング 資料:ドクタートラスト

「同僚とのコミュニケーション」で最も健康リスクが高い業種は「運輸業、郵便業」となり、以下、「製造業」、「学術研究、専門・技術サービス業」の順に続いている。上司とのコミュニケーション」と同様、「運輸業、郵便業」のリスクが2020年度に続きワースト1となった。