インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月28日、2019年5月から運用しているデータセンター「白井データセンターキャンパス」(白井DCC、千葉県白井市)において、BCP(事業継続計画)用蓄電池を使用し、関西電力をアグリゲーターとする「バーチャルパワープラント(VPP)」事業に参画すると発表した。

同施設ではエネルギー利用効率化の施策の1つとして、BCP用のリチウムイオン型蓄電池を夏場の空調用電力の平準化のために使用し、2020年には夏場の最大電力を10.8%低減するピークカット効果を実測した。

一方電力業界では、IoTを使用するエネルギー・マネジメント技術の高度化を背景に、従来の大規模発電所への依存脱却を目指している。地域に分散したエネルギー・リソースを束ねて(アグリゲーション)遠隔・統合制御するVPPといった、新しいエネルギー供給システムの構築、サービス化が進んでいる。

そこで同社は、関西電力をアグリゲーターとするVPP事業に参画する。白井DCCに設置したBCP用リチウムイオン型蓄電池および、2022年12月に導入予定のオンサイト太陽光発電を用いて、ピーク電力が小さい冬季の蓄電容量と太陽光発電設備からの供給電力が大きい夏季の蓄電容量を使用し、さらなる電力利用の効率化、運用コスト低減を目指す。

  • 白井DCC空調設備の年間消費電力推移

市場参画により、電力市場の安定に貢献しつつ、中長期的には既に実証済みの受電ピークカット効果とDR報酬により、蓄電池の投資コストの約40%の回収を目指す。2022年7月から実効性テストを開始し、2024年4月に実需要を開始する予定だ。供給容量は100kW規模。