アドビは7月27日、高校3年生と大学1年生の保護者を対象にした「子どもの進路とクリエイティブスキルに関する調査」の結果を発表した。これによると、デジタル化社会の中で保護者が高校での学びに重要と考えるのは「情報分析能力」「課題解決の発想力/着想力」「デジタル・リテラシー(ITを使いこなせる能力)」の3つであることが分かった。
同調査は同社が、大学進学を志望する高校3年生および大学1年生の保護者を対象にWebアンケートで6月30日~7月4日に実施したもので、有効回答数は各500人の計1000人。
子供が文系・理系のどちらを選択すべきと考えているかを尋ねたところ、子供の性別に関わらず、約半数の保護者が「子供が学びたい分野を選んでもらいたい」と考えていることが分かった。
2022年から高校の授業で情報Iが必修科目になったが、これについて「よく知っている」と回答した保護者は全体の20%、「なんとなく聞いたことがある」が47%で、約7割の保護者が必修化を認知している。
しかし、2025年の大学入学共通テストから国立大学の受験では情報が必須科目となることは、「知らなかった」が48%と約半数の保護者が認知していない。
高校で身に付けるべきと考えているスキルを複数回答で聞くと、情報分析力が52%で最も多く、以下、課題解決方法の発想力/着想力(47%)、デジタル・リテラシー(ITツールを使いこなせる能力)(43%)が続く。
また同社は、2020年の調査では採用担当者が重視するスキルを、2021年の調査では学生及び若手社会人に今後重要度が上がると思うスキルを聞いた。
過去の2つの調査と比較して、今回は情報分析能力、デジタル・リテラシー、プレゼンテーション・スキルが高い傾向にあり、情報を扱う際の基礎的な力を、高校生のうちに身に付けた方がよいと考える保護者が多いと同社は分析する。
大学教育に期待する内容を複数回答で質問したところ、57%と過半数の保護者が「学んだスキルを活かして学生のうちから社会に役立てる経験をする」を挙げている。
高校では情報分析や課題解決、デジタル・リテラシーなどのスキルを身に付け、大学では実社会における課題解決の実践を積んでほしいと考える保護者が多いと同社は推察している。