矢野経済研究所は7月19日、国内の医療ICT市場を調査し、主要セグメント別の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
同調査で対象としているのは、クラウド型電子カルテ(病院向けおよび診療所向け)、クラウド型PACS(医療用画像管理システム)/外部保存サービス(病院向け)、オンライン診療システム、診療予約システム、電子問診(Web問診/タブレット問診)システムとなり、それぞれ、事業者売上高ベースで国内市場規模を算出している。
2021年度の同市場の規模について同社は165億7800万円と推計した。同年度をセグメント別でみると、市場構成比の大きいセグメントは診療予約システム、クラウド型PACS/外部保存サービス、診療所向けクラウド型電子カルテの順になるという。
2023年度の同市場の規模は、2021年度比1.28倍の211億4,000万円になると同社は予測する。同年度比で特に成長率が高いのは、電子問診システム、診療所向けクラウド型電子カルテである。
電子問診システムは2018年度頃より参入企業が増加するなど、本格的な市場形成が進んでいることから高い成長率が続いている。診療所向けクラウド型電子カルテについては、新規開業の診療所において初期費用を抑えられるクラウド型が選択される割合が増加していること、クラウド型製品を積極的に展開する事業者(ベンダー)が増加していることが、高い成長率の主要因となる。