暗証番号やアプリ、ICカードが物理鍵代わりに

MIWA Akerun Technologiesは7月15日、マンションやアパートなどの賃貸物件をスマートロックを活用して管理の効率化を図る「Akerun.M(アケルン・ドット・エム)キーレス賃貸システム」を発表した。

同社は、建築用錠前の日本国内シェアトップの美和ロックとオフィス用のスマートロックシステム「Akerun」を開発するPhotosynthが2021年1月に立ち上げた合弁会社。2021年9月には同社から住宅向けスマートロックシステム「Akerun.M」をリリースしている。

今回発表したシステムは、賃貸物件の物理鍵をスマートフォンアプリやICカード、暗証番号を活用したスマートキーへと置換えることで、物件管理業務における物理鍵に伴う手間と時間、紛失などのトラブルへの対応業務、退去時の鍵の交換や回収にかかる手間やコストを低減するとともに入居者の利便性向上を図るサービスだ。

同システムは、共用部と専有部にスマートロックを設置し、クラウド上で鍵の代わりとなる暗証番号やスマートキー情報を管理。管理会社にはWeb管理システム、入居者にはスマートキーアプリが提供される。

  • Akerun.Mキーレス賃貸システムの全体像

    Akerun.Mキーレス賃貸システムの全体像(出典:MIWA Akerun Technologies)

3年間で大手管理会社の導入シェア4割を目指す

管理システムでは、一時利用のテンキー用暗証番号を発行できるため、内見の際の物理鍵に伴う移動や管理業務が不要となる。

  • Akerun.Mキーレス賃貸システムの管理システムイメージ画像

    Akerun.Mキーレス賃貸システムの管理システムのイメージ画像(提供:MIWA Akerun Technologies)

また、入居者向けには、管理システムから賃貸物件のスマートキーを発行することで、スマートフォンや普段利用しているICカードを鍵として利用できる。

  • あらかじめICカードを登録することで、共用部、専有部ともに開閉が可能だ

    ICカードでドアを開錠するイメージ。あらかじめICカードを登録することで、エントランス、専有部ともに開閉が可能だ(提供:MIWA Akerun Technologies)

セキュリティリスクを伴う物理鍵の複製や管理が不要になり、トラブルの際も、Web管理画面からクラウドを通じて鍵を管理できるため、物理鍵に伴う対応業務を軽減できるとしている。

入居者が退去する際はWeb管理システムで賃貸物件のステータスを変更するだけで、 退去した入居者のデジタル鍵の権限削除ができ、入居者が入れ替わるたびに発生していた鍵交換の手間や費用の削減だけでなく、退去時の対応業務も効率化が可能だという。

同システムは2023年1月の提供開始予定で、導入費用は個別見積もりとしている。

MIWA Akerun Technologiesの渡邉宏明 代表取締役は、「Akerun.Mキーレス賃貸システムは、現在、さまざまな管理会社に提案しており、導入したいと言っていただける会社が増えている。スマートロックシステムを使って業務効率化を図りたいというニーズも多く、導入スキームについて個別に調整中だ」とし、顧客の反応については好感触を得ているようだ。なお、導入目標については、提供開始から3年間で大手管理会社の導入シェア4割を目指すとしている。

  • MIWA Akerun Technologiesの渡邉宏明 代表取締役

    MIWA Akerun Technologiesの渡邉宏明 代表取締役(提供:MIWA Akerun Technologies)