日本IBMは7月14日、リアルとデジタルが一体化し、企業横断・業界横断で創り上げられたサービスが主流になり、最適化された顧客体験の提供が競争優位の源泉となる世界において、業界変革と共創を推進していくため、既存の基幹システムをデジタル世界に融合する次世代のITアーキテクチャを発表した。

同アーキテクチャは、金融、保険、自動車、電機・電子、素材、機械、運輸、流通、ヘルスケア・ライフサイエンス、電力・ガス、通信の11業種について定義し、先進ITによって、あらゆる枠を超えて進む業界変革を支えるもので、2018年に発表された「デジタル時代の次世代アーキテクチャ」の進化版となる。

「デジタル時代の次世代アーキテクチャ」は、AIなどの最新技術を活用した業界ごとのデジタル変革戦略として策定されたもので、銀行、保険、製造、石油・化学、小売、運輸、公共、電力・ガス、通信、ヘルスケアという10の業界を対象としているものだったという。

同社は、リアルとデジタルを一体化し業界横断的なサービスを実現していくには、「リアルとデジタルを結びサービスに関わるすべての視点で体験を作り上げる技術」「組織を超えて繋がり共創する技術」「自律的に判断し最適化する技術」「IT環境にとらわれないための技術」といった4つのテクノロジーの実装が不可欠としている。

新アーキテクチャは、これら4つのテクノロジーの実装と連携を提示し、創造性の領域にまで踏み込んだ自動化によって多様な観点から磨き上げられた顧客体験の提供を加速するとともに、技術の進化や業界を超えた共創による業界変革を推進し、サーキュラー(資源循環)型経済への移行と持続可能な社会実現に向けた取り組みにも貢献するという。

日本IBMは、先に挙げた11業種ごとに、先進ITを活用して業界変革が実現された数年後のビジネスの姿(ユースケース)を定義し、業種ごとのITアーキテクチャはこれらのユースケースを実現していくという。