エクスペリエンス管理(XM)製品を提供するクアルトリクスが日本市場への投資を強めている。先に日本でのデータセンターの稼働開始を発表、日本独自のソリューションとしてストレスチェックも提供するなど、日本市場に合わせたXMの提供を進める。

今回、データセンター稼働に合わせて来日した同社幹部のBrigid Archibold氏とAnderson Quach氏、そして日本のカントリーマネージャーを務める熊代悟氏に話を聞いた。

  • 左から、クアルトリクスのAnderson Quach氏、Brigid Archibold氏 、熊代悟氏。Quach氏はプロダクト ソフトウェア グループ エンジニアリング担当バイスプレジデントとして、顧客、従業員、ブランド、製品エクスペリエンス管理のグローバル システム&エンジニアリングチームを統括する。Archibold氏はアジア太平洋&ジャパンマネージング・ディレクター

今回、稼働を開始した国内のデータセンターについて、教えてください--

熊代氏: 2018年に日本拠点をオープンし、それ以来、事業を拡大してきました。2022年は日本市場にさらなる投資をします。データセンターはその一部で、先に東京オフィスもオープンしました。555坪の面積を持ち、社員はこのオフィスでもリモートでも働くことができます。

データセンターが国内にあることで、これまで規制などが理由で利用いただけなかった金融、政府・公共などのお客様にもクアルトリクスを使っていただけるようになります。これにより、さらなる事業拡大が見込まれます。

今年4月に個人情報保護法が改正され、情報の種類によっては国内のデータセンターに置く必要が出てきました。本社幹部にローカルデータセンターの必要性を伝え、日本で稼働するデータセンターが実現しました。

Quach氏: 新型コロナウイルスの感染拡大、ウクライナ情勢など不安定な状況において、エクスペリエンス管理は従業員、顧客との関係強化に欠かせません。

今回の日本におけるデータセンター開設は、クアルトリクスが長期的に日本市場にコミットしていることを示しています。われわれは産業界、顧客の両方にとって信頼できるパートナーでありたいと願っています。

Archibold氏: クアルトリクスは全世界で1万6750社以上の顧客を持ち、日本を含むアジアは大きな市場です。日本国内のデータセンター稼働は、日本のクアルトリクスにとって新しいチャプター(章)の幕開けと言えます。

クアルトリクスは「カスタマーエクスペリエンス(CX)」「従業員エクスペリエンス(EX)」「ブランドエクスペリエンス(BX)」「プロダクトエクスペリエンス(PX)」と4種類のエクスペリエンス管理を展開しています。日本市場では従業員エクスペリエンス管理が先行しているようですが、残る3つはどのような状況でしょうか?--

熊代氏: 従業員エクスペリエンス管理が先行した理由は、新型コロナウイルスの拡大により、従業員エンゲージメントの向上に使いたいという企業のニーズが高まったからです。われわれは従業員フィードバック調査の「Pulse Survey」などで、急な新型コロナ対応を強いられる企業を支援しました。

働き方改革は多くの企業で道半ばであり、従業員エクスペリエンスは今後も継続してプッシュします。2022年はこれに加えてブランドエクスペリエンス管理も強化します。すでにダイキン工業が導入しており、日本と世界のブランド体験と顧客体験を計測しています。

エクスペリエンス管理製品はエクスペリエンスにひもづけるというより、価格付けなどを目的としたリサーチで使われていることが多いのですが、最終的にはエクスペリエンスの改善につながるように支援していきます。

Quach氏: 顧客エクスペリエンス管理は、グローバルでは急成長している製品分野です。日本は規制、それに顧客が高い品質を求めていることから、日本でも顧客エクスペリエンス管理は潜在ニーズが大きいと見ています。

クアルトリクスのプラットフォームには従業員や顧客の声を聞くリスニングとギャップを識別する「Experience iD」、分析・インテリジェンスの「クアルトリクス iQ」などがあり、フレームワークに埋め込まれています。共感を持って迅速にアクションを起こすことができます。