デル・テクノロジーズは6月29日、5月に実施した全国のIT関連の中小企業(従業員数1〜99人)の経営者および従業員870人に対するIT投資動向に関しての意識調査の結果を発表した。

  • 自社のビジネスにとってIT投資の必要性を感じますか?

    自社のビジネスにとってIT投資の必要性を感じますか?

自社のビジネスにとってIT投資の必要性を感じているかを尋ねる質問では、「とてもそう思う」 が 36.7%、「ややそう思う」が 35.5%と、IT投資の必要性を感じている回答者は全体の7割にのぼった。自社のIT投資についての課題については、「推進するための予算が不足している」が35.5%、「推進するためのノウハウが不足している」が35.4%と上位2つにあがり、続いて「推進できる人材がいない・不足している」が30.4%であった。

  • 自社のIT投資についての課題

    自社のIT投資についての課題

「予算が不足している」と回答した人に今後のIT予算の増減について尋ねたところ、「変わらない」が 63.8%で最多。減少予定も合わせると75%となり、IT投資の必要性に対する課題にまでは対応できていない状況が見受けられた。また、「推進できる人材がいない・不足している」と答えた人にIT担当者の増員予定について尋ねると、「変わらない」が53.9%、「減少予定」が2.2%、大幅に減少予定が1.1%であわせて53.2%となり、「増加予定」「大幅に増加予定」の42.7%を上回った。

  • 「推進するための予算が不足している」人に今後IT予算は増加する予定ですか?

    「推進するための予算が不足している」人に今後IT予算は増加する予定ですか?

「推進するためのノウハウが不足している」と回答した人に、現在ITインフ ラ周りの整備、サポートを相談できる企業があるかを尋ねると、「相談できる企業があるが、対応は不足している」との回答が 41.2%で最多。「相談できる企業はない」との回答は32.5%と、7割以上の企業ではIT整備について信頼して相談できる企業がない現状が明らかとなった。

現在保有しているサーバーの台数を尋ねると、2〜5台が36.9%、6〜10台が16.3%。2022年のサーバー導入の意向を聞くと、9.8%がサーバーを「増設予定」と回答し、「サーバーリプレイスを予定」も9.8%であった。勤め先のサーバー導入については、75.7%が「導入は自社で行っている」と回答。 「SIer に委託している」が13.4%、「販社に委託している」が 7.7%と他社に委託している企業は 21.1%にとどまった。

  • 現在保有されているサーバーの台数を教えてください

    現在保有されているサーバーの台数を教えてください

また、今後1年以内に導入を予定しているサーバーの台数について尋ねると、「予定していない」が49.3%で最多となった。一方、3割以上の企業が「1台以上導入予定」と回答した。1年以内にサーバーの導入またはリプレイスを予定と答えた回答者のうち、ITインフラ整備、DX促進など今後のビジネスの発展を支援する企業があれば相談したいかについて尋ねたところ、「積極的に相談したい」あるいは「やや相談したい」という回答は47.7%であった。

  • 2022年のサーバー導入に関する意向について教えてください

    2022年のサーバー導入に関する意向について教えてください

クラウドサービスの利用状況を尋ねると、「利用している」企業が 51.9%、「利用していない」 企業が 48.1%。クラウドサービスを利用している回答者にクラウドサービス導入後に社員からあがった不満について聞くと、「動作が遅い」(16.7%)と「予期せぬサービス停止があった」(14.5%)が多く、「不満の声はなかった」のは66%とクラウドサービスへの満足度は高い傾向にあった。利用料についての満足度を尋ねると「やや満足してい る」が最多で32.2%、「満足している」が17.5%と、あわせて49.5%が概ね満足していた。一方で「やや不満足」「不満足」との回答は合わせて10.9%にとどまった。

  • クラウドサービスを利用している回答者に聞いた、クラウドサービス導入後に社員からあがった不満

    クラウドサービスを利用している回答者に聞いた、クラウドサービス導入後に社員からあがった不満

これらの結果から、IT分野における中小企業のIT投資への必要性の高まりと課題、さらに課題への対策にまで対応できていない状況がうかがた。また、IT投資の人材不足やノウハウ不足を感じながら、相談できる企業を有していないことも明らかとなった。