三菱重工業は6月20日、今後、将来の多様なニーズに応え、デジタル戦略、デジタルプラットフォームおよびDX(デジタルトランスフォーメーション)推進機能を拡張するため「デジタルイノベーション本部」を7月1日付で新設することを発表した。

今回の「デジタルイノベーション本部」の新設により、自社が提供する個別機械システムの知能化・自律化にとどまらず、社会を取り巻く機械システム同士の協調、さらには社会システムの知能化を通じて“かしこく・つなぐ”ことで、安心な社会基盤の実現を目指すという。

  • デジタルイノベーション本部の機能概要

具体的には、プラントのデジタル運転制御(DIASYS Netmation)、プラントの遠隔監視自動運転(TOMONI)など、これまで提供してきた各種デジタル技術を含め、DXの基盤技術として、モデル&シミュレーション技術、オペレーション&メンテナンスを通じたデータ収集とアナリティクス技術、AI技術、防衛製品などで培ってきたセキュリティ技術を組み合わせることで、安全かつ確実なソリューションの提供を⽬指す。

  • 三菱重工業の強みを生かしたデジタルイノベーション

同社は、新組織の主な役割として以下の3つを挙げている。

  • 同社グループ全体を俯瞰したデジタル戦略の方向性決定、データドリブンの基盤構築と横断的な運用、DX人材育成、ガバナンス、リソース最適化などに取り組み、戦略機能に注力する

  • デジタルアセットの横断活用、エコシステム構築を通じてさらなる価値創造を目指し、ソフトウェアを中心としたデジタル製品関連のモジュラーデザインおよびデジタルプラットフォームの利用促進を組織横断的に行う

  • 事業部門の顧客接点に関するデジタルサービス・アプリケーション開発および統合監視・オペレーションなどのデジタルプラットフォームにおけるアジャイル開発機能を取り込み、デジタルエクスペリエンス推進やデジタルプラットフォーム開発に注力する