ハンモックは6月14日、同社の特許技術である「マルチAI OCR」を使用して、3つのOCR(光学文字認識)エンジンで文字認識するトリプルOCRにおいて99.997%の信頼精度を達成したと発表した。これにより、従来と比べて約10倍の入力業務効率化が図ることが可能と同社は推測している。
OCRでは人力による全件目検業務があるため、従来の技術では業務効率化の範囲が限定的との課題があったという。この課題解消のため、複数のAI(人工知能) OCRエンジンで項目を判読する技術であるマルチAI OCRにより、入力業務がどの程度効率化できるかをシミュレーションしたとのこと。
実証実験では、日本年金機構が公開している健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険70歳以上被用者月額変更届を対象帳票とし、同社がサンプルデータを準備してテスト画像を作成したという。データ量としては、10万項目以上の画像を用意した。準備した画像の活字と手書きの割合は、活字8割、手書き2割とした。
検証の結果、トリプルOCRによる処理および演算/マスタ利用による誤確定防止チェック処理により、99.997%以上の信頼精度を実現できることが確認できたとしている。なお、OCRエンジン個々およびダブルOCRでは、99.997%以上の認識精度を実現できなかったという。
OCRの誤認識を発見するために、同社の特許技術である複数のOCRエンジンを組み合わせることで実現を確認したとのこと。活字帳票に限定した場合は、ほぼ100%の信頼精度を実現できることが確認できたという。
入力業務の効率化に関して、トリプルOCRおよび誤確定防止チェック処理の結果から、人による確認・修正が必要なデータの割合は約20%となるとのこと。OCRを利用せずに人による二重入力の作業量が200%と仮定した場合に、約10倍の入力業務効率化が図ることが可能と同社は考えている。
