米Pure Storage(ピュア・ストレージ)は6月8日、米ロサンゼルスで年次イベント「Pure//Accelerate techfest 22」を開催した。3年ぶりのリアル開催となったイベントでは、ファイル・オブジェクトストレージの「FlashBlade//S」、新しいサブスクリプション「Evergreen//Flex」などを発表した。
会場で同社のCTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)を務めるRob Lee(ロブ・リー)氏に現在の技術面での戦略について話を聞いた。
「FlashBlade//S」開発の背景
--FlashBlade//Sを発表しました。なぜこの製品が必要だったのか、開発した背景を教えてください。
リー氏(以下、敬称略):FlashBlade//Sは、2016年に発表したスケールアウト型のファイル・オブジェクトストレージプラットフォームファミリーのFlashBladeに初めて加わるファミリーです。
NAND型メモリテクノロジーを採用してHDDと同じ、もしくはそれ以上のテラバイト単価を可能としており、1つのセルに4ビットを格納することで大容量のNVMeの性能を実現するQLC(クアッドレベルセル)を搭載し、メタデータアーキテクチャを実現するものです。
Sはスピード(Speed)、シンプルさ(Simplicity)、拡張性(Scalability)、そして持続性(Sustainability)のSを表現しており、密度、性能、電力効率を倍増させています。
企業は高度なワークロードを動かしており、パブリッククラウドでは適していないものも多くあります。しかしながら、レガシーのプラットフォームにはイノベーションがないことに加え、ストレージ管理も煩雑です。これらの問題も解決を試みるというのがFlashBlade//Sの提案です。
消費電力については、全世界的にESG経営への関心が高まっており、欧州ではロシア・ウクライナによる電力供給が課題となっています。消費電力は購入決定の重要な要因となっており、FlashBlade//SはレガシーのNAS(Network Attached Storage)と比べて消費電力を48%抑え、冷却も28%削減できます。
FlashBlade//Sは、効率を追求するS200と性能重視のS500で展開します。サブスクリプションの「Evergreen」により、時の経過とともにストレージシステムがさらに改善すると考えています。