WILLER EXPRESSは6月9日、点呼支援ロボットの導入実証を2022年5月に開始したと発表した。乗務員の体調確認や運行状況、デジタル・タコメーターから取得した運転データなどを一元管理する統合管理システムの構築を目指し、点呼業務のさらなるデジタル化を推進するという。

  • 点呼支援ロボットの使用イメージ

今回の実証により、日々の点呼データをクラウド上で一元管理し点呼記録簿の作成を自動化することで、点呼業務の精度向上と効率化を実現するとしている。

実証の目的は「点呼の自動化により、運行管理者による点呼と同等以上の精度の確保」、「点呼記録をデジタル化しクラウドでの一元管理により、データを活用したさらなる安全確保の実現」、「運行管理者の業務平準化や負担軽減、将来的な人手不足への対応」の3点。

  • 導入するソリューションとIoTデバイス

今回導入する点呼支援ロボットは、ナブアシストの「Tenko de unibo」。同ロボットは富士通Japanの「ロボットAIプラットフォーム」を搭載しており、事前登録した指示・伝達事項を自然な語り口調でドライバーに伝えるという。

また、顔認証やアルコール測定などの点呼結果をクラウドで管理し、各種法令法規に準じた点呼記録簿を自動作成して運行管理者の業務平準化や負担を軽減し、適切な人数での人員配置や遠隔点呼を可能にする。

導入箇所は、東京都江東区の同社の本社営業所。運用方法は、乗務員に対しては、乗務前・乗務後における免許証の確認、アルコールチェック、体調確認を点呼支援ロボットで実施する。管理者は、自動作成した点呼記録簿を確認の上で、乗務員個々に対して運行業務指示などを実施する。

同社は今回の検証結果を踏まえ、運用範囲や運用方法を検討するとともに、バイタルデータや車両データなど各種データの連携による最適化を検討し、統合運行管理システムの実現を目指す。また、2023年1月に開始予定という自動点呼を見据え、これまで培った安全管理のノウハウとデジタルの融合による点呼業務フローを構築する考えだ。