教育分野の日本最大の総合展「EDIX 東京」が2022年5月11日から13日までの間、東京ビックサイトにて開催された。教育ITソリューションEXPO、学校施設・サービスEXPO、保育・幼稚園ICT化EXPO、人材育成・研修EXPOの4展で構成される同展示会には、ICT機器、デジタル教材、業務支援システム、eラーニングなどを手掛けるさまざまな企業や法人が出展ブースを構えた。

LEDライトを活用した大画面の電子黒板

映像機器や照明機器の開発・販売を手掛けるテルミックネオは、教育機関向けの製品を同展示会にて初公開した。それ製品とは、LEDライトを活用した大画面の電子黒板「MA136(ManaVisionシリーズ)」だ。

  • LEDライトを活用した大画面の電子黒板「MA136(ManaVisionシリーズ)」

    LEDライトを活用した大画面の電子黒板「MA136(ManaVisionシリーズ)」

同製品の特徴は何と言っても画面の大きさだ。名前の通り136インチの大画面を実現し、遠くからでも視認できる。液晶ではなくLEDなので、明るい部屋でも画面を鮮明に表示でき、講堂や大教室、体育館などでの利用が可能だ。

同社が京都大学の学生34名を対象に実施した評価実験の結果によると、消灯時においてはLEDとプロジェクターの差はほとんどないが、点灯時においてはLEDのほうが総合満足度で高い結果が得られたという。「部屋を暗くしてしまうと日本の学生は寝てしまう」(製品担当者)というのだ。

  • 点灯時においてはLEDのほうが総合満足度が高い

    点灯時においてはLEDのほうが総合満足度が高い

この電子黒板には、広告事業やエンターテイメント事業で培ってきた同社のLEDビジョンの技術が集約されている。製品担当者によると「現代の技術では、136インチの液晶の電子黒板は作れない」という。画面に近づいてみると、極小LEDの球がびっしりと並んでいた。同製品には必要機材がセットアップされており、標準でフルHDの画像を出力できる。

  • 極小LEDの球がびっしりと並んでいる

    極小LEDの球がびっしりと並んでいる

鮮やかな画面を映し出すだけでなく、きちんと電子黒板としての役割も備わっている。画面に直接文字や絵が書け、用意したプレゼン資料やユーチューブの動画なども表示できる。

また2次元バーコードで画面共有も可能だ。メニューに2次元バーコード(QRコード)がありそれを選択すると、画面中央に表示される。それをスマートフォンのカメラで読み込んでみると、その時の電子黒板の内容がスマートフォンの画面に表示されるのだ。

  • 電子黒板に文字や絵を描き

    電子黒板に文字や絵を描き

  • メニューで2次元バーコードを表示しスマホで読み込むと

    メニューで2次元バーコードを表示しスマホで読み込むと

  • スマホの画面に共有される

    スマホの画面に共有される

そのほか、登録した写真や動画、資料などを一覧表示する機能も備わっており、さまざまな使い方ができる。なお同製品の価格は定価で800万円とのことだ。

  • 登録した写真や動画、資料などを一覧表示する機能

    登録した写真や動画、資料などを一覧表示する機能

オンライン授業の負担を軽減する自動追尾カメラ

新型コロナウイルス感染症の感染防止策として2020年頃から普及したオンライン授業。次に紹介したいのが、そのオンライン授業を円滑なものにするための製品だ。

アバー・インフォメーションは、AI(人工知能)による自動追尾カメラを展示。参考出品として、小型のAI自動追尾カメラ「AVer DL10」を紹介。重さは約745グラムと軽量で片手に収まるサイズの商品だ。

  • 小型のAI自動追尾カメラ「AVer DL10」。展示会では人を自動追尾するデモを公開していた

    小型のAI自動追尾カメラ「AVer DL10」。展示会では人を自動追尾するデモを公開していた

AIが人を検知し追尾する機能が備わっており、定点カメラの複数台設置や、カメラマンの手配などが必要なく、同製品1台で動きのある映像を撮影することが可能。

同社が提供する、手元の資料・教材を撮影する卓上カメラと組み合わせることで、より効果的な授業が実現できる。同展示会ではマイクとスピーカーが内蔵された卓上一体型カメラの「A30」も紹介されていた。

同製品のカメラの部分はアーム型になっており上下に動かすことが可能で、投影したい場所に簡単に向けることができる。

  • マイクとスピーカーが内蔵された卓上一体型カメラの「A30」。カメラの部分は上下に動かせる

    マイクとスピーカーが内蔵された卓上一体型カメラの「A30」。カメラの部分は上下に動かせる

  • 登録した写真や動画、資料などを一覧表示する機能

    手元の資料を画面に投影することが可能

両製品とも難しい設定は何一つなく、端末同士をつなげるだけで利用でき、「環境整備と実施に伴うコストを負担し、授業の準備や後片付けが簡単になる」(製品担当者)という。