5月11日から13日まで、東京ビッグサイトで開催されている教育分野の総合イベント「第13回EDIX東京教育総合展」。本稿では、その中の第13回教育ITソリューションEXPOで展示を行っている教科書・教材向けデジタルソリューション「超教科書」を紹介する 。

  • 超教科書のイメージ

「超教科書」は、2020年4月に導入が開始された、小学校、中学校、高校の全教科の教科書、教材を閲覧することができるデジタル教科書ビューアだ。Webシステム開発などを行うBPSがビューアの制作を行い、啓林館、帝国書院、大修館書店の3社の出版社が収容されている教科書のコンテンツ開発を担当している。啓林館が理科、算数、英語、帝国書院が社会、大修館書店が国語と保健体育のコンテンツを担当している。

同サービスでは、教科書を閲覧できる機能に加え、教科書を活用するにあたって役に立つ機能を提供している。具体的には、書き込み機能、読み上げ・白黒反転・ルビ表示切り替え機能、オフライン環境でコンテンツ上の書込み情報を共有できる「しおり機能」、教科書にひもづけて自由に書き込んだり画像を貼り付けたりできる「ノート機能」が追加されている。

中でも、注目してもらいたい機能が「暗記ペン」だ。これは、使用すると不透明な色のマーカーで紙面を隠して、隠した部分を押すとマーカーで隠されていた部分が半透明になり紙面が見えるようになる機能だ。

「暗記ペン」は、授業中に先生が話した重要語句をその場でラインを引いて、後日テスト勉強に生かすといった活用方法もある。この場合、紙の教科書と異なりラインの引き間違えやテスト前に新しくノートを書き直すといった作業を省け、時間を効率的に使えるようになるという。

  • 暗記ペンの利用イメージ 引用:啓林館

また、ビューアのアイコンは、使用する学年や年齢によって管理画面から変更することができ、小学生向けはカラフルで直感的に利用しやすいデザイン、中・高生向けにはシンプルで教科書の内容を邪魔しないデザインが採用されている。

  • 超教科書の花の観察のイメージ

紙の教科書と比べての反響について聞いたところ、啓林館のコンテンツクリエーション部主任技師の中塚智氏は「動画の再生の容易さ」を挙げた。従来の紙の教科書では、タブレットなどでQRコードを読み込み、動画を再生する必要があったが、デジタル教科書を活用することで動画をクリックするだけで再生することができるようになるため、操作も簡単になる上、時間の削減になるという。

同サービスの料金は、学習者用デジタル教材と学習支援オンラインサービスを利用できて1教科ごとに年間1,650円。生徒1人につき1ライセンスの購入が必要となる。