4月15日から17日にかけてパシフィコ横浜で開催されていた「2022国際医用画像総合展(ITEM2022)」で、Lily MedTechは装置の穴に乳房をいれるだけで乳房内の撮影を可能とした超音波画像診断装置「COCOLY(ココリー)」を展示していた。

  • 乳房用リング型超音波画像診断装置「COCOLY」

    乳房用リング型超音波画像診断装置「COCOLY」。穴の部分に乳房を入れる

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COCOLYは、乳房を装置の穴の中に入れるだけで、リング状の超音波振動子が上下に移動しながら乳房内を3Dで撮像することが可能な装置。

この撮像方法は、2012年から東京大学大学院工学系および医学系研究科にて研究されており、同技術の実用化のために2016年にLilyMedTechが設立された。

乳がん検診で使用されることが多いマンモグラフィのように乳房を圧迫する必要がないため、痛みを感じない点が大きなメリットだ。

また、撮像開始のボタンを押すだけで自動で撮像ができるため、撮影者のスキルに依存せず、高分解能な画像を取得できるのも特徴だ。

  • COCOLYで撮影した乳がんの症例

    COCOLYで撮影した乳がんの症例(出典:Lily MedTech)

ブースの担当者にITEMでの反響を伺うと「わざわざこのために見に来る方がいるほど、反響は大きいと感じています。見に来られた方は、簡単に操作できる点や、寝ているだけでボリュームデータを取ることができる点に驚かれる方が多いですね」とのことだ。

  • ITEM2022でのLily MedTechの展示の様子

    ITEM2022でのLily MedTechの展示の様子

COCOLYは2021年4月に、医療機器製造販売認証を取得し、同年5月より販売を開始した。現在までに1台の導入が決定しているとしている。

また、アルフレッサと総販売代理店契約を締結したことで、今まで都内中心で行っていた販売活動を全国に広げていくという。

乳がん検診には“痛い”といったマイナスなイメージを持つ方も少なくなく、そのようなイメージは乳がん検診の受診率を下げる一因ともいえる。

寝ているだけで気軽に乳がん検診ができるCOCOLYが、どのように乳がん検診の在り方を変えていくのか注目だ。