凸版印刷とMONET Technologies(MONET)は4月26日、観光施設までの移動車中で、オンラインゲームのメタバース空間を活用し、遠隔地からアバターガイドがリアルタイムにナビゲートしながら、観光施設の事前体験を行う実証実験を行ったと発表した。

同実証実験は、MONETが開発した後席の取り外しや移動、テーブルの設置が可能なマルチタスク車両で観光施設「時之栖」(静岡県御殿場市)まで移動する車中で、施設内を事前体験することで、観光者の行動変容を促すことができるかを検証するとともに、その満足度を測定した。

  • MONETのマルチタスク車両(画像左)とリモート接客システムを利用したアバターによる遠隔ガイド(画像右)

    MONETのマルチタスク車両(画像左)とリモート接客システムを利用したアバターによる遠隔ガイド(画像右)

具体的には、Epic Gamesのバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」のメタバース空間に「時之栖」を登場させ、遠隔地からリモート接客システムでつないだアバターガイドのナビゲートのもと、乗客が携帯ゲーム機を操作しながら、「時之栖」がどのような場所なのかをメタバース上で事前に体験してもらった。

その結果、体験前と比べて、事前の認知が低くて行く予定ではなかったスポットへの訪問が増加したという。体験者の7割以上が事前体験の満足度を10点満点中7点以上と回答。アンケート結果より、満足度を構成する要因は、メタバース上での観光施設の事前案内が最も高いことがわかった。

凸版印刷は、メタバース事業を2023年度までに関連サービス含め10億円の売上を目指す考えだ。