大日本印刷(DNP)と同社グループのサイバーナレッジアカデミー(CKA)は4月21日、サイバー脅威に関する知識の習得を目的とした2種の教育プログラムを2022年5月に開講すると発表した。
同プログラムは、サイバー攻撃事案(インシデント)発生時の対応を実際に体験しながら、セキュリティリスクの基礎知識を身につけるもの。セキュリティ専門の人材だけでなく、ITサービスなどを開発・運用する技術者や事業部門・管理部門などの社員に対しても、セキュリティ対策を学ぶ機会を提供する。セキュリティの基礎的知識を保有する「プラス・セキュリティ人材」の育成を目指す。
IT技術者向けの「サイバー・インシデントレスポンス・マネジメントコース(CIRMコース)基礎演習1日版」では、通常5日間のCIRM基礎演習コースを1日に凝縮した、サイバーセキュリティ技術の基礎となるインシデント対応を体験型で学べる演習コース。セキュリティが専門ではない受講者も、セキュリティを意識したサービス開発や運用に必要な知見を習得できるとしている。
イスラエル企業のイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)の訓練システムを使い、一般的な企業のネットワークシステムの仮想環境を再現して演習を行う。集合研修とオンライン双方に対応しており、1人当たりの受講料は7万1,500円。
もう一つの教育プログラム「一般従業員向けサイバーセキュリティ講座」では、セキュリティやIT業務に携わらない社員もサイバーセキュリティの実態を理解できるように、標的型攻撃(ランサムウェア)やフィッシング攻撃など実際のサイバー攻撃と被害の状況を動画で見ながら、未然防止策や異常発生時の初動対応を学ぶ。ビデオ会議システムなどを活用し、企業のセキュリティ教育や新入社員向け集合研修などに向けて、オンラインで提供する。提供価格は50万円から(受講者100人程度を想定)。
両社はセキュリティ担当者向けの実践的な演習から、IT技術者や他の社員が受講しやすい教育プログラムまで幅広く提供し、企業・自治体のセキュリティ人材育成を支援していく考えだ。