伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は4月20日、同社のクラウドネイティブ化の技術支援サービス「C-Native」の強化として、コンテナ環境の自動構築、マルチクラウドに対応したシークレット管理、AIによるオブザーバビリティ(可観測性)の3つの機能を追加したことを発表した。

C-Nativeは、レッドハット社のコンテナ管理プラットフォーム「Red Hat OpenShift」を中心とするクラウドネイティブ化の技術支援サービスであり、2020年10月から提供している。ハイブリッドクラウドサービスの高度化・多様化に応えることを目的に同サービスの機能を強化した。

クラウドネイティブ化は、コンピューティングリソースの利用を伸縮可能にするとともに、素早いアプリケーション開発・リリース・再利用を可能にする。また、オンプレミスからプライベート・パブリッククラウドの違いを意識することなくアプリケーションが利用できるようになる。一方で、コンテナ環境構築・シークレット管理・システム運用/セキュリティ対応の負荷増大により、自社への導入に踏みとどまる企業も少なくない。

  • C-Native強化機能

今回追加する、コンテナ環境の自動構築の機能では、設定ファイルを元に新たなインフラを自動で構築することが可能になる。インフラの構成やポリシーをコード化して自動化し、また、マルチクラウド環境でワークフローの共通化を実現する。人為的なミスを防止できるとともに、Webサービスへのアクセスの急増にタイムリーに対応できるようになる。

認証情報を管理するシークレット管理機能は、マルチクラウド環境で稼働する複数システム、またはアプリケーションの認証認可を一括管理・暗号化することが可能。従来はシステムの増加に応じてシステム間の連携や他システムとの接続に関して個別に認証設定する必要があったものを、容易に認証・認可できるようになったという。これにより、作業負荷や作業ミスを軽減し、安全なシステム連携と運用が可能になる。

システムの運用監視を行うAIによるオブザーバビリティ機能は、膨大な量のシステムリソース情報・ログ情報・トレース情報の可視化だけでなく、AIを用いた障害原因の分析により可観測性を実現する。具体的には、根本原因の分析や通知などのAIによる自動対応や、マルチクラウド環境での監視及びログ分析を行う。

同社は今回の機能強化により、クラウドネイティブ環境下のアプリケーションやシステムアセスメント、システム環境の設計や構築、既存システムとの連携、運用の設計や継続的な開発を支援していく考えだ。