SBテクノロジー(SBT)と富士通は3月31日、福島県会津若松市、茨城県水戸市、岐阜県多治見市、兵庫県加古川市の4自治体と共に、環境省が主導するゼロカーボンシティを実現するための施策推進に向けた実証実験に取り組んだことを発表した。

同実証では、分野を超えてデータの発見と利用ができる仕組み「CADDE(Connector Architecture for decentralized Data Exchange:分散型データ交換のためのコネクタ・アーキテクチャ)」(読み:ジャッデ)を用いて信頼性が確保されたさまざまなデータを収集し、二酸化炭素の排出量や削減量を可視化する実証実験を2021年11月から2022年2月まで行い、2022年3月に評価を行った。

  • 実証実験の概要図

「CADDE」はアーキテクチャとして、各分野におけるデータ流通の仕組みを最大限尊重し、それらを各分野の特性にあわせて分散的に連邦化するビルディング・ブロックス型をとっている。データ交換はコネクタのネットワークを通じて実現される。分散的に存在するデータ提供者とデータ利用者はそれぞれの窓口となるコネクタを用意することで、このネットワークに参加しデータ交換が行えるようになる。

実証実験ではデータの流通履歴を記録・管理する来歴管理システムと「CADDE」を連携し、4自治体が保有するEV(Electric Vehicle:電気自動車)公用車の電力消費量やソーラーカーポートの再生エネルギー発電量などのデータを収集し、データ可視化ツール「IoT Core Connect(可視化ツール)を用いて各車両の二酸化炭素排出量をレポート画面で閲覧できるようにしたとのことだ。

これにより、「CADDE」を用いて収集したさまざまなデータを活用できるようになったほか、EVへの移行の動機付けや職員の環境意識向上など、ゼロカーボンシティ施策の推進に一定の効果があることを確認したとしている。

  • 「CADDE」で収集したデータをもとに可視化されたCO2排出量や削減量のレポート画面