HSMアドバイザリーと富士通は3月22日、ハイブリッドワークの現状と未来に関するグローバル調査の結果をまとめたレポートを発行した。同レポートでは、リアルとバーチャルを組み合わせたハイブリッドワークを推進するうえで、従業員のエンゲージメントとウェルビーイングを高め、創造性を発揮させるために考慮すべき要素をまとめ、「サステナブル・ハイパフォーマンス・モデル」として提唱している。

両者は新型コロナウイルス感染症流行下の2年間におけるハイブリッドワークの経験や学びから組織の働き方を再定義し、効果的なハイブリッドワークを実現するために重要なポイントを3点紹介している。

コロナ禍でわれわれの働き方に対する考え方は大きく変化した。多くの企業は、働き方に対する固定観念を無くし変革する必要があるという共通理解を持ち始めている。こうした状況に対して、同レポートは1点目として「働くことの意味と意義」を再考することを勧めている。組織のパーパス(存在意義)を意識させることが、従業員に変革の必要性の理解を促すのだという。従業員と組織をつなぐ新しい規範を作ることで、ハイブリッドな組織文化を醸成するのが良いとのことだ。

また、2点目として「働き方の再定義」についても勧めている。ウェルビーイングはパフォーマンスの向上に不可欠だとして、生産性やウェルビーイングを高め、さらにパフォーマンス評価をアウトプット重視に変換するのが良いとしている。さらに、「事務所にいることが評価につながるという過去のプレゼンティーイズムに逆戻りしないよう、ウェルビーイングをパフォーマンス評価に組み込むことが重要」だと述べている。

3点目は「従業員のエンパワーメント」だ。デジタルテクノロジーの活用などにより時間や場所にとらわれない働き方を取り入れ、従業員のウェルビーイングの実現を支援するのが良いという。従業員が勤務時間や場所を自律的に選択できるよう支援することで、生産性の向上だけでなく従業員のウェルビーイング向上も見込める。

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