中央大学は3月2日、実社会の課題にデータ分析を応用できる人材の育成を目的として、文理を問わず全学部生を対象としたAI(人工知能)・データサイエンス学習プログラム「iDSプログラム」を2022年4月より開始することを発表した。
同プログラムは、基礎(リテラシーレベル)の次の段階(応用基礎レベル)となる実践的な学びの場として位置づけられる。2年次から履修を開始し、参加者は課題解決型の学習科目「AI・データサイエンス演習」を中心に、関連する講義科目を履修する。所属学部の専門分野において、AIやデータサイエンスを活用する力を身につけることを目指す。
中央大学は、コロナ禍で定着したオンライン授業をより発展させるため、同プログラムすべての科目を遠隔授業で修得可能にした。2022年度は文系理系を問わず中央大学の全8学部57名の学生が履修予定で、うち72%(41名)は文系学部の学生という。
iDSプログラムは、演習科目として「AI・データサイエンス演習」を10単位以上、講義科目のうち基幹科目と位置づけられる「AI・データサイエンスツール」を2単位以上、関連科目の「AI・データサイエンス総合」や各学部設置科目を6単位以上取得し、かつ3つの区分から合計22単位以上取得することが修了要件となる。
具体的には、AI・データサイエンス演習では、産業界や科学技術分野、身近な社会で取得された現実のデータに基づいて課題解決型学習を実施する。以下の4つのゼミナールが設置され、同時双方向オンライン型の遠隔授業にて開講する。
(ゼミナールのテーマ)
1. 人間の行動や社会の動向に関するデータ分析
2. AIやデータサイエンスを用いた問題発見・解決の実践・実装
3. データサイエンスによるEBPMの実践
4. 社会調査・比較対照実験を用いたデータ分析
AI・データサイエンスツールでは、データサイエンスやAIの現場で活用されるソフトやプログラミング言語を学び、AI・データサイエンス総合では、経済社会のなかでAI・データサイエンスがどのように活用されているのか、その実践例を第一線で活躍する複数名の実務家から学ぶとのこと。
また、iDSプログラムの修了要件を満たした学生には、修了証としてオープンバッジが授与される。このオープンバッジは、国際標準規格準拠のデジタル技術を用いたスキルの新しい証明になるという。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進展するこれからの社会では、AIやデータサイエンスの技術や知識は、文系理系を問わず必要だ。中央大学はiDSプログラムにより、所属学部の専門分野においてAIやデータサイエンスを活用する力を身につけ、卒業後には実社会の課題にデータサイエンスを応用できる人材を目指すとのことだ。