NTTドコモ、スプラッシュトップ、カラー、ワコムは1月14日、4Gの通信網に切り替えず5G(第5世代移動通信システム)の高速通信・超低遅延などの能力を引き出せる「スタンドアローン(SA)方式」の5Gを活用して、モバイル通信で遠隔地からアニメCGを制作する実証実験に成功したことを発表した。
今回の実証実験で構築した、5G SAと高性能GPU(Graphics Processing Unit)を活用したMEC(Multi-Access Edge Computing)環境によって、アニメCGや製造デザインCAD、メディアなどの業界で使われている高性能なパソコンをオフィス以外の場所に持ち運ぶことなく、一般的なパソコンやタブレットからモバイル通信環境で業務に従事できるようになるという。
今回の実証実験は、カラーのクリエーターがワコムの液晶ペンタブレットを操作し、デジタルペンの入力信号を5G SAを用いたモバイル閉域通信でドコモオープンイノベーションクラウド内にあるスプラッシュトップのエッジサーバに接続することで、リモートでデジタル作画を実現するものだ。
ドコモが提供するクラウド基盤サービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」に、高性能なNVIDIA GPUとスプラッシュトップのリモートコンピューティング技術を用いたエッジサーバーを構築し、5G SAで「クラウドダイレクト」による閉域接続を行い、最大4Kの解像度と60fpsの高フレームレートの画面転送を実現したとのことである。オフィス環境と同等の操作性で円滑に描画を行えることを確認したそうだ。
クラウドダイレクトとは、接続端末とクラウド基盤を直結して通信経路を最適化することで、5G による低遅延・高セキュリティー通信を実現するサービスである。