三井不動産、電源開発(以下、Jパワー)、三井不動産TGスマートエナジー(以下、MFTG)の3社は1月12日、オフィスビルなどにおける「FIT(Feed-in Tariff)非化石証書へのトラッキング付与に係る個別合意に関する契約」を締結したことを発表した。

これに伴って、日本橋および豊洲エリアで三井不動産と東京ガスが推進する「スマートエネルギープロジェクト」において電力供給を行うビルを対象として、今月より新たにグリーン電力の提供を開始したとのことだ。同プロジェクトで供給する電力にJパワーグループの環境価値を付与することで、グリーン電力化を実現するのだという。

なお、MFTGは三井不動産と東京ガスが高い省エネ性能とエリアBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の実現を目指して設立した会社であり、「スマートエネルギープロジェクト」は同社が実施する特定送配電事業の名称だ。

  • 「スマートエネルギープロジェクト」のイメージ

今回の契約は、MFTGが三井不動産などに供給する電力のグリーン化を目的として非化石価値取引市場で証書を調達する際に、Jパワーグループからトラッキング情報の提供を長期安定的に受けることについて3社間で合意したものだ。具体的には、2030年度までの期間にJパワーグループのジェイウインドが保有する風力発電の環境価値を活用する。

  • グリーン化電力の概要図

Jパワーグループが提供するトラッキング情報は、電力の発生由来を風力発電所であると特定できるものであり、特に環境意識の高いテナント企業からの要望応えるサービスだという。事業で用いる電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指すRE100(100% Renewable Electricity)などの国際基準に適合し、かつ再生可能エネルギーの種類が明確な仕組みを活用することで、テナントやオーナーの脱炭素に向けた取り組みを支援する。

2022年1月よりMFTGが電気を供給する日本橋室町三井タワーを含む4棟のビルで提供を開始し、今後は順次対象ビルを拡大する予定だ。4月からはオフィスビルに入居するテナント企業へも「グリーン電力提供サービス」の対象を拡大する見込み。

  • 日本橋エネルギーセンターの供給エリアイメージ図