東急電鉄、阪急電鉄、東京工業大学の3者は1月11日、列車内の混雑状況を可視化する実証実験を1月より実施すると発表した。同実証実験は、東京工業大学が開発した特許出願中の「列車内の混雑度解析技術」の精度を検証するもので、列車内の混雑情報を可視化して乗車前の利用客にリアルタイムで提供する。混雑度が低い車両への乗車を促し、混雑を避けたいというニーズに応えることを目指す。

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列車の乗車客が持つスマートフォンのBluetooth信号を、駅に設置した「混雑解析装置」で取得し、クラウド上のAI(人口知能)にて混雑状況を解析する。また、AIの解析精度を高めるため、駅のホーム上から顔を識別できない「高速度カメラ」で撮影・測定した混雑状況なども組み合わせて、AIのチューニングを行う。

同実証実験による技術が確立した場合、これまで対応できていなかった路線や相互直通運転を実施している他社所属車両の混雑状況もリアルタイム情報として配信できることになり、またこのデータを蓄積することで傾向値を定期的に更新することも可能になる。

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東急電鉄は、同実証実験を2022年1月17日~2月28日の期間実施し、田園都市線駒沢大学駅上り(渋谷方面)ホームに「混雑解析装置」と「高速度カメラ」を各1台ずつ設置する。阪急電鉄は1月12日~3月31日の期間で実施し、両機器に加えて、解析データをもとに列車の各車両別の混雑状況を表示する「混雑度表示サイネージ」を設置するとのことだ。