レノボ・ジャパンは12月21日、2022年およびその先のテクロノジートレンドの予測を発表した。

同社社長のデビット・ベネット氏は、「テレワークと出社を併用したハイブリッド型勤務体制への移行が加速していく中で、2022年は人々のインタラクションを向上させる新しいデバイスのフォームファクタやITサービス、セキュリティサービスといったテクノロジーが幅広く提供されていくと考えられます。また、よりよい社会を実現するためのテクノロジーにますます重きが置かれるようになるでしょう。具体的には以下のようなテクノロジートレンドが進むと予測します。」と述べ、10個の予測を立てている。

「どこからでも仕事ができる」が職場の新定義になる

出社とテレワークのハイブリッド勤務体制がニューノーマルとなっていき、従業員のリモートワーク体験を向上させる製品やソリューション、サービスが増加していく。さらに、拡張現実(AR)により従業員の居場所を問わない没入型の職場環境が実現される。

パスワードに変わる技術が普及する

AIやセンサー技術の向上により、シームレスなユーザー認証が実現する。公開鍵基盤(PKI)ベースのデバイスセキュリティと多要素認証(MFA)によりパスワードへの依存度は低下し、その代わりに指紋・顔・虹彩・音声認証などの生体認証技術がセキュリティ業務を担う。

サステナブル社会のための「テック・フォー・グッド」が加速する

消費者は企業に対してよりサステナブルな製品やビジネスを求める。サステナブル素材の利用増加によりメーカー各社はカーボン・ニュートラルへと近づくことが可能。ITプロバイダーの役割は、企業がテクノロジーによって環境に与える負荷の相殺、企業のSDGs目標の達成をサポートするサービスやソリューションの開発に伴い変化し続ける。

PCモニターがハブ機能の役割を果たす

PCモニターは近い将来、次世代のハブ機能を担う。最先端のハードと直感的なソフトをディスプレイに組み込むことで、ユーザーはシングル/マルチディスプレイのウィンドウコンソールを通じ、シームレスなマルチタスクが可能となる。モニターはPCだけではなく、スマホやゲーム機にも対応する機能を持つようになる。

フレキシブル・ディスプレイが普及する

スクリーンを折りたためて簡単に持ち運べるフレキシブル・ディスプレイの需要に伴い価格が引き下げられ、他の各種デバイスにも導入されて利用が拡大する。デジタルサイネージや公共交通、スマート家電機器などでも利用拡大が予想される。

より直感的な情報入力が可能になる

キーボード以外の情報入力手段として、触覚フィードバック対応ペンや音声テキスト機能などの利用が増え、将来的には触覚機能を備えた先進的なオンスクリーンキーボード(OSK)や予測型の人工知能(AI)/機械学習(ML)が主流とあり、今の形のキーボードは必要なくなる可能性がある。

テクノロジーがより医療と密接になる

ウェアラブル端末や音声アシスタントの利用が増え、遠隔医療は今後も残り続ける。病院や遠隔地の在宅医療にバーチャル・ケアが浸透することで、患者の医療体制が強化される。バイタルの監視、コンプライアンスの向上、健康やライフスタイルの問題の啓蒙などはより一般的に行われ、臨床ワークフロー、評価ツールなどの効率化も、医療従事者のメリットとなる。

コンピュータの操作はより自然に、「アンビエント・コンピューティング」の普及が進む

自然言語処理(NLP)とマルチレンズ機能の強化により、これまでのユーザー体験は一変し、UIはより自然で安全なものとなる。「コネクテッド・エンドポイント」はコネクテッドカーだけではなく、コネクテッド・シティからさらにその先へと拡大していく。

没入型コンテンツは手のひらでも楽しめるように

小型画面でも没入型コンテンツが楽しめるようになり、低価格なウェアラブル・ディスプレイが登場する。ユーザーは公共の場でプライベートな視聴を楽しむことができ、メタバースの進化に向けた第一歩となる。

ゲームの「没入感」が向上する

ポータブルディスプレイやOSにより、ゲームにおいても没入感がより一層高まる。また、コネクティビティの最近の進化により、高精細・低レイテンシのグラフィックスが実現し、ヘッドセットを介したプレイを通じて身体的な動きを反映したよりリアルなゲームプレイが楽しめる。ARがさらに成熟化し、その場の環境でゲームコンテンツを体験できる。ゲーム、ソーシャル、ショッピングの分野では一大ブームとなり、これら3つの要素を高い利便性で一元管理する高度なソフトウェア・ライブラリが提供されることでゲーム体験の楽しみが進化する。