大日本印刷(DNP)とイリモトメディカルは12月21日、健康診断の画像診断における事業競争力の強化および拡大を目指して資本業務提携を締結することを発表した。

両社は、MRI検査やCT検査などの検査画像から所見を読み診断する「読影診断」にAI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用して、精度向上と迅速化を実現し健康診断における予防医療に貢献するという。

  • DNPとイリモトメディカルは業務提携を開始する

業務提携による取り組みのポイントは、イリモトメディカルが行っている遠隔読影のワークフローに対して、AIを活用したより効果的な読影支援システムや業務支援システムの開発を進める点だ。

具体的な取り組みの第一弾として、肺結節を検出するAI診断ソフトを活用し、撮影した胸部X線画像を読影することで肺がんの早期発見を支援する。今後は画像診断支援が可能な部位や疾病の追加も目指す。

  • 遠隔読影のイメージ

近年は、各医療機関で撮影した胸部X線画像などの画像を放射線診断専門医がいる施設へ送信し、その画像から病気の有無や程度を診断する遠隔読影の需要が高まっている。受診率が増加傾向にある健康診断には胸部X線画像などの診断も含まれ、読影需要の増加とともに読影の品質向上との迅速な対応が求められている。

こうした背景を受けて両社は、大量の画像に対して迅速な処理が求められる読影診断作業にAIを活用することで画像診断支援のワークフロー最適化と診断精度の向上に貢献し、ヘルスケア画像診断領域の支援を図る。