日本航空(JAL)、セコム、旭テクノロジー、Red Dot Drone Japan、KADOの5社は11月24日、ドローンを活用した医薬品配送、巡回警備、煙突点検、スポーツ空撮の4つのユースケースでの実証実験に成功したと発表した。同実証実験は2021年10月27日～28日、兵庫県内にて実施された。

  • 医薬品の配送(JAL)

  • ボートパークの巡回警備(セコム)

  • 煙突の点検(旭テクノロジー)

  • スポーツ空撮(Red Dot Drone)

同実証は、第三者上空での目視外飛行（レベル4運航）実現に向けた運航管理システム検証を目的として、KDDIが開発した「KDDIスマートドローン」を利用し、県内各地にて同時に飛行した複数ドローンの飛行状況・飛行計画の把握、他ドローン接近時の飛行回避対応などを検証した。レベル4運航の実現により、医薬品をはじめとする物流・警備・点検・空撮・災害対応など、ドローンの新たな活用領域の拡大が期待されている。

JALが医薬品を想定した輸送、運航管理・リスクマネジメント体制の構築を行い、セコムがボートパークの巡回警備、旭テクノロジーが煙突など人の立ち入りが難しい場所での点検、Red Dot Droneがサッカー場のスポーツ空撮、KADOが物流ドローンの実証支援を実施した。

JALが実施した実証実験では、往復約5キロメートルにおいて医薬品を最大約5キログラムまで輸送した。さまざまな運航障害に伴うリスクを想定して遠隔運航管理を行い、日本で初めて人口集中地区において7つの橋を越えるドローンの飛行に成功したという。

  • 7つの橋梁を越えるドローンの飛行ルート

また、運航管理システムの画面上に疑似的にヘリコプターを出現させ、ドローンを緊急着陸させるシナリオでの実証も行った。

5社は同実証で得られた結果を活用し、レベル4運用における安全かつ効率的なドローン運航管理システムの構築を目指す。