EY(アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワーク) Japanは、デル・テクノロジーズと共同で、女性起業家とビジネス成長の支援を目的とした女性起業家育成プロジェクト「DWEN x EY Support & Innovation Pitch」 (以下 DWEN x EY SI Pitch) をオンラインで開催している。
デル・テクノロジーズは、デル女性起業家ネットワーク(DWEN)を通じて2010年より世界の女性起業家へ世界都市でのDWENサミットやイベントにて支援を行っている。
今回の共同プロジェクトでは、女性起業家がビジネスアイデアやプランをプレゼンし、それに対し様々な分野の専門家がビジネスアドバイスを行うというもの。
このイベントでは、会社規模、売り上げなどにより次の3つの起業ステージに分かれ、それぞれ5名を募集。募集は8月に行われ、プロジェクトチームにて応募内容を確認し、選出した。
ステージA.年商一億円以上
ステージB.年商3000万~1億円未満
ステージC.起業前~年商3000万未満
選出された15名(5名×3ステージ)に対しては、ビジネスブラッシュアップとネットワーク機会の提供という支援が行われる。
そして、11月18日には、ステージCの起業家が、これまでのメンターからのアドバイスを活かしながら作成したビジネスプランのプレゼンを行った(参加者は事前準備として、メンターによる数回のメンタリングを受けている)。持ち時間は各自5分間で、その後7分間、審査員から質問を受けた。
18日のPitch(プレゼン)には、以下の5名が参加した。
社名 | 代表者 | 提供する製品・サービス |
---|---|---|
Noriho | 青谷凪紗 | 高齢者や子育て世代を主要顧客とした地域型MaaS事業として、利用者は特定の地域内であれば、定額の月額料金を支払い何度でもタクシーを利用できるサービスを提供する。 |
Temari | 歌野真理 | 子供が正しい歯磨きを身に着けるためにIoTを活用し、ゲーム性を持たせながら、歯みがきの記録(磨きの細かさや時間の計測、磨き場所をリアルタイムで表示)を視覚化できる「シャカシャカぶらし」を提供する。 |
スルミ | 石塚つばさ | 女性の生理とメンタルに着目し、月経やPMSや更年期など女性特有の問題をAI技術で解決するBtoBtoE(企業内の従業員向けサービス)のプロダクトを提供。 AIチャットボットや生理管理、AI表情解析のアルゴリズムを活用し、認知行動療法が組み込まれたメンタルヘルスケアなどの機能を搭載する。 |
ジョコネ。 | 北奈央子 | 女性のヘルスリテラシーを高めるヘルリテコース、産後のボディートーニング、骨盤底筋トレーニング、女性の健康アップ各種セミナーを提供する。 |
Coloridoh | 竹内ひとみ | 独自に開発したカラフルなアレルギー食材不使用のクッキー生地(特許申請中)を使って、親子で一緒にクッキーを作る体験を通して、子どもの心と脳を育むプログラムを提供。季節のイベントに合わせたクッキーづくりのプログラムや、子供へのコミュニケーションや関わり方を学べる親向けのプログラムなどを提供する。 |
審査員からは、開発中製品の進捗状況、マネタイズの方法、競合との差別化、弱みをカバーする方法、マーケティング施策、リスク対策、拡大計画などが質問された。
その結果、Coloridohの竹内ひとみさんが最優秀賞を獲得した。
審査は主に、起業家精神、イノベーション、ビジネス成長性の3点で、さらに実現性、発展性、そのための施策を取っているか、リスク側面などにより判断。総合的に審査員間で話し合いが行われ、選出した。
Coloridohが最優秀賞を獲得したポイントは、事業性(お金の入りと出が見やすい点)が大きなポイントだという。また、仮説の検証が行われていた点や、最近のサステナビリティの視点も捉えているなど、完成度が高かったという。
なお、発表者5名は、審査員全員から個別の評価シートを受け取った。
このイベント視聴者は、40%強が女性起業家、起業家志望者、15%程度が投資関係者、7%程度が支援機関であったという。イベントでは新しい人に参加してもらうことで、パイを広げていく活動にしていきたいと考えており、このネットワーク醸成で、起業家が投資、協業パートナーを得る機会に発展し、エコシステム構築につながることも目的の1つだという。