楽天モバイル、名古屋大学、OKIは11月8日、自律移動サービスを実現する自律ネットワークに関する共同研究開発を開始すると発表した。同研究開発は、情報通信研究機構(NICT)が公募した「Beyond 5G研究開発促進事業」の一環で、3者はサービスの通信に対する要求に自律的に応答し、さまざまなサービスと協調しながら動作する協調型自律ネットワークに関する研究開発を行う。

自律ネットワークとは、人間のエンジニアのようにネットワークを管理できる人工知能(AI)をネットワークのシステムに組み込むことで、将来的にすべてのオペレーションをネットワーク自体が単独でこなし、さまざまなニーズに自律的に対応できるモバイルネットワークのことを指す。

3者は具体的に、協調型自律ネットワーク基盤技術の確立と、自律移動ロボットの連携による映像配信サービスやIoT(モノのインターネット)サービスの実現を目指す。同研究開発は2025年3月末まで実施される予定。

  • 協調型自律ネットワークの研究開発が実現される世界のイメージ

映像コンテンツの配信においては、従来のサーバからのコンテンツ配信だけでなく、自律移動ロボット側で撮影したコンテンツを蓄積し、他の端末やサーバに送信するなど、双方向CDN(Contents Delivery Network)制御により効率的な双方向の配信を行うとしている。

楽天モバイルは、双方向の配信や自律移動ロボットを含むさまざまな要件のサービスに、自律的に対応できるモバイルネットワークの実現に向けた研究開発を行う。

名古屋大学は、自律移動のためのモジュールや、カメラ・マイク・スピーカー・ディスプレイ、ロボットハンドや録画用ディスクなど、さまざまなモジュールを組み込み、必要に応じてネットワークに帯域などのサービス要求を行う自律移動ロボットの研究開発を行う。

OKIは、自律ネットワーク上で自律移動ロボットやモバイル端末などが高画質映像を高品質で受信・送信できるよう、自律ネットワーク上の双方向CDN制御の研究開発を行う。