アンジェスは11月5日、2020年より行ってきた新型コロナウイルスDNAワクチンの3種類の臨床試験についての結果を公表した。それによると、一連の臨床試験における安全性は確認されたが、有効性として細胞性免疫の上昇は一定レベルではあったものの、主要指標である液性免疫において、期待する効果を得ることはできなかったという。

各臨床試験の結果概要は以下の通り。

新型コロナウイルスDNAワクチン製剤の第1/2相臨床試験(1)概要

  • 概要:健康成人志願者を対象とした、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価(非盲検、非対照試験)
  • 目標症例数:30例
  • 投与方法:筋肉内接種
  • 結果:安全性に問題はなく、有効性としての液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの期待する効果を得ることはできず、以降の開発は改良製剤を用いて進めることとした

新型コロナウイルスDNAワクチン製剤の第1/2相臨床試験(2)概要

  • 概要:健康成人志願者を対象とした、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価(非盲検、非対照試験)
  • 目標症例数:30例
  • 投与方法:筋肉内接種
  • 結果:安全性に問題はなく、有効性としての細胞性免疫はある程度の上昇を確認し、液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの、より多い症例数で確認する必要があると判断した

新型コロナウイルスDNAワクチン製剤の第2/3相臨床試験概要

  • 概要:健康成人志願者を対象とした、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価(無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験)
  • 目標症例数:500例
  • 投与方法:筋肉内接種
  • 結果:安全性に問題はなく、有効性としての細胞性免疫もある程度の上昇を確認したが、液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの、期待する効果を得ることができず、さらに有効性を高める必要があることを確認した

なお、アンジェスでは、より有効性を高めるための取り組みとして、すでに高用量製剤での第1/2相臨床試験を2021年8月より開始しており、今後はそちらの開発に注力していくとしている。