デル・テクノロジーズは11月2日、中堅企業向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するため、ソリューションマッチングサービス「DX ISV / AI、Build パートナー」プログラムの提供を12月から開始すると発表した。
同社では今年の3月、奈良先端科学技術大学院大学、dTosh 、DN Technology & Innovation、中小企業診断士とDXコンサルティングエコシステムを構築し、無料オンラインDX相談会、事業計画書支援、無料DXアセスメント、定額制DXコンサルティングサービス、事業再構築補助金 無料相談窓口の開設などの支援策を提供することを発表していた。
こちらは、どちらかというと、DXの企画フェーズをサポートするもの。今回提供する「DX ISV / AI、Build パートナー」は、次のステップである開発フェースを支援するもので、データ解析・機械学習・画像解析・ロボティクス・自然言語処理・ 5G関連技術を提供する企業およびこれらシステムが稼働するインフラ基盤を導入・構築するパートナー企業と、DXを推進していこうとしている企業とのマッチングおよび実装支援を行うもの。
これにより、AIを活用したビジネスを含め、社内の業務効率やコスト削減から新規事業まで、DX 関連技術を活用して事業変革を検討・推進する企業を包括的に支援するという。
そのために、今年の12月から「中堅企業DX コミュニティー」活動を開始し、この中では、有識者の基調講演、DX ISV/AI、Buildパートナーによるセッション、DX推進企業からのライトニングトーク、VRを活用したカジュアルな情報交流を隔月で行っていく。
デル・テクノロジーズ 広域営業統括本部 西日本営業本部長 木村佳博氏は、「DXのライフサイクル全体を網羅する形で展開していく」と語った。
11月2日現在、DX ISV / AI パートナーは10社、DX Build パートナーは18社あり、今後、拡張していく予定。
デル・テクノロジーズ 上席執行役員 広域営業統括本部長 瀧谷貴行氏は、「2021年の(新型コロナウイルスによる)行動制限が落ち着きを見せ始めており、今年の前半はDXに向けて再始動した年であった。中堅企業においては、この3年で業務データのデジタル化やデジタライゼーションの大きな進捗が見られ、今年の後半から来年にかけてDXが加速していくと思っている。今年の前半は構想策定、課題の分析、データのモデリングや仮説の検証が中心だったが、今年の後半から実際のシステム構築部分に移っていく」と、今後、DXの中心が実装フェーズに移っていくとの見通しを示し、新プログラムを提供する背景を説明した。
また、同社は今年の5月、AIビジネスを展開している顧客と、これからAIをビジネスに活用していきたい顧客のマッチングサービス「Dell de AI」を発表しているが、中堅企業のDX支援ではこちらのサービスも活用し、プロトタイピング/データモデリング、仮説検証、基本設計、システム構築の部分をサポートしていく。
デル・テクノロジーズ 執行役員 製品本部長 データセンターソリューションズ事業統括 上原宏氏は「2023年度には、毎月10件、120件を超すAI案件を成約したい」と目標を語った。
また、中堅企業のDX支援では、業務プロセス分析を学ぶ「企業DX ワークショップ」やDXのためのに活用したい全国自治体補助金制度を解説する「DXコミュニティ補助金セミナー」も今年の12月からスタートするという。