AGCは9月14日、同社のバイオ医薬品CDMO事業子会社であるAGC Biologicsが、同社の独ハイデルベルグ工場において、メッセンジャーRNA(mRNA)の製造受託サービスの提供体制を構築するとともに、その原料となるプラスミドDNA(pDNA)生産ラインの増設を決定し、2023年中ごろの稼働開始を予定していることを発表した。

新型コロナウイルスワクチンとして注目を集めているmRNAは、新型コロナ以外のワクチンや、それ以外の分野も含め、今後、需要が増加していくことが期待されている。こうした市場背景を踏まえ、同社では今回、すでにハイデルベルグ工場で事業化しているpDNAの製造受託事業で培った技術やノウハウを活かす形でmRNAの製造受託サービスを新たに提供することを決定したという。

なおAGCでは、すでに発表済みの遺伝子・細胞治療薬拠点である伊ミラノ工場の増強および米ロングモント工場の買収に加え、mRNAだけでなく遺伝子・細胞治療向けの原料でもあるpDNAの製造能力を増強することで、原料から遺伝子細胞治療まで一気通貫のサービスを提供できるCDMOとしての成長を加速させていきたいともしている。

  • AGC Biologics

    AGC Biologicsのハイデルベルグ工場外観