オンプレミスからクラウドサービスに移行する際の目的として、真っ先に挙がるのが「コスト削減」だが、実際にはそれほどコストが減らないという話もよく聞く。

そんな疑問に答える形で、アマゾン ウェブ サービス ジャパンは9月6日、同社のクラウドサービス「Amazon Web Services」のコスト最適化に関する説明会を開催した。

AWSのコスト削減を支援する2つのサービス

初めに、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 事業開発統括本部 統括本部長の佐藤有紀子氏が、同社が提供するコスト最適化に関するサービスを紹介した。

  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン 事業開発統括本部 統括本部長 佐藤有紀子氏

同社は今年4月に、日本独自の AWS クラウドへの移行支援サービス群「ITトランスフォーメーションパッケージ」を発表したが、その中で、ユーザーのコスト最適化を支援するサービスを提供している。

  • ITトランスフォーメーションパッケージを構成するサービス群

佐藤氏は、クラウドサービスに移行してから、ユーザーが直面するコストにまつわる課題は2つあると述べた。2つの課題とは、「想定していたコスト効果が出ない」と「コスト最適化が限られたチームでしか実践できていない」だ。

前者の解決を支援するサービスが「Cloud Financial Management(CFM)」、後者の解決を支援するサービスが「Financial Hackathon ワークショップ(FinHack)」だ。

同社は移行前から移行後まで、コスト最適化に対する一気通関の支援を提供しており、移行前はCloud Economicsによって経済効果を試算する。移行後は、CFMとFinHackによって、コストの最適化を図る。

  • AWSが提供するコスト最適化のフレームワーク

CFMは、「AWSによる分析を実施・実行計画を提示」「ユーザーによるコスト削減の実施」「コスト削減結果と今後のAWSによる支援計画を報告」といったステップを踏んで行われる。AWSでは、ユーザーのAWSの利用状況を分析して、コスト削減効果の見積もりと最適化のアプローチを提示する。

  • CFMの概要

  • CFMによる分析の例

一方、FinHackは「ユーザーにnヒアリングを実施して課題点を明確化」「関連の専門家を招集してワークショップのアジェンダ策定」「最終日に参加者が現状の課題と今後の取り組みを発表」といった流れで進められる。

  • FinHackの流れ

  • FinHack ワークショップの概要