藤田医科大学は、ファイザー製新型コロナウイルスワクチンを接種した同大教職員の血液中抗体価の調査結果として、ワクチン1回目接種約3か月後の抗体価の平均値が、2回目接種後に比べて約1/4に減少したことを明らかにした。
対象者は209名(男性67名、女性142名)で、ワクチン接種前、1回目接種後約14日目、2回目接種後約14日目、1回目接種後約3か月目に採血を実施。それぞれの回で血液中のIgG抗体を測定したところ、2回目接種後にすべての被検者で抗体価の上昇が確認された一方、3か月後の抗体価の平均値は2回目接種後に比べて約1/4に減少していることも確認されたという。
また、3か月後においても抗体価には個人差があったほか、年代別として60~70歳代の抗体価はすべての時期で50歳代以下よりも低い傾向にあったが、すべての年代で抗体価の平均値は接種3か月後に低下していることが確認されたという。
さらに性別の抗体価の平均値の推移を比較したところ、2回目接種後と3か月後で女性のほうが抗体価は高い傾向にあったものの、接種3か月後では男性も女性も低下していることが確認されたとしている。
研究チームでは、今回の研究により、抗体は2回目接種から時間が経過すると低下することが確認されたとしており、この結果は、ワクチンの効果が時間とともに低下している可能性を示すものだとしている。ただし、ワクチンの効果は抗体産生だけでなく、細胞性免疫によるものもあることから、抗体価の低下がどの程度ワクチンの発症予防効果、重症化予防効果などの低下を示しているかについて今後も研究が必要だとしている。