キリンホールディングス(以下略、キリン)と三菱総合研究所(以下略、MRI)は8月18日、共同開発したAIを活用したビール商品開発支援システム「醸造匠AI」に、目標とする味から原材料と工程条件を導きだす「レシピ探索機能」を追加し、6月からキリンで試験運用を開始したことを発表した。

  • 「醸造匠AI」における「試作結果予測機能」と「レシピ探索機能」の構成(同社資料より)

    「醸造匠AI」における「試作結果予測機能」と「レシピ探索機能」の構成(同社資料より)

「醸造匠AI」は、過去の試験醸造データを元に学習した機械学習モデルと技術者の知見を組み合わせ、原材料の配合や工程条件から試作品の味を予測するもので両社が2017年に開発に着手、新商品開発業務の効率化に貢献している。

新たに開発された「レシピ探索機能」は、これまでとは逆の発想で目標とする味の指標値から原材料や工程条件などの"レシピ候補"を提示。経験の浅い技術者は目標の味を実現する候補の洗い出しに、熟練技術者は新規レシピの発見 への活用が期待される。

  • 「醸造匠AI」使用イメージ(同社資料より)

    「醸造匠AI」使用イメージ(同社資料より)

両社は、"ビールのおいしさは、指標値だけでは表すことのできない味や香味バランスで成り立つため、最終的には技術者によるレシピ開発が欠かせませんが、AIと人の五感をかけあわせることで、これまでにないビールをより効率的につくることが期待できます"と述べている。