Welbyは8月10日、Personal Health Record(PHR)プラットフォームを活用したヘルスケア事業の創出、拡大、およびPHRの普及を目的として、電通と業務提携を開始したことを発表した。

PHRは個人が自身の健康および医療に関する情報を、電子的に記録して管理する仕組みである。PHRには健診の結果などだけでなく、脈拍や血圧、体温などのバイタルデータも含まれる。

  • 業務提携によって実現を目指すパーソナライズド・ヘルスケアのイメージ

新型コロナウイルス感染症の流行によって、デジタル技術を活用したヘルスケアサービスが加速しており、個人の健康情報に基づいてパーソナライズ(個別最適化)された体験価値の創出が進んでいる。日本国内においてもデジタルヘルスケアサービスの技術開発が進んでおり、健康領域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しているとのことだ。

同社はこれまで、PHRプラットフォームの提供を通じて、疾患の治療に取り組む患者の自己管理と、疾患への理解の促進、患者と医療従事者の情報共有の支援に取り組んでいる。また、生活習慣病患者向けPHRである「Welby マイカルテ」を活用して、企業の従業員の健康を管理するサービスや、新型コロナウイルスワクチン接種前後の症状を管理して共有するためのサービスも提供している。

一方で電通は、同社グループのヘルスケア領域におけるグローバル横断組織「dentsu health」に参画して、ヘルスケア企業のDXを支援してきたとのことだ。こうした背景を受けて、両社は国内のPHRの認知向上と活用促進を目的として業務提携に至ったという。これによって、両社は企業や自治体、または学会などと共に新たなビジネスモデルを構築して、利用者ごとの健康情報に基づいてパーソナライズされたユーザー体験を提供する「パーソナライズド・ヘルスケア」の実現を目指すとしている。

具体的には、あらかじめ同意を得た利用者のPHRを活用して食品や化粧品、衣料品メーカーなどの販促に活用する。利用者の血圧や体重などの健康データから、興味のありそうな商品のターゲット広告などに活用できるという。さらに両社は、広告商品購入前後の健康データの変化を測定することで、商品のリピートや新たなサービスの提案にもつなげていく狙いだ。