情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan) セキュリティセンターは、2021年6月23日発行の安心相談窓口だより「安易に運転免許証など本人確認書類の写真を送信しないで! ~ 不在通知の偽SMSで新たな手口の相談が増加中 ~」において、宅配業者の不在通知を装った新しい手口が出回っているとして注意喚起を行った。

IPAには、宅配便業者の不在通知などを装ったフィッシング詐欺の相談が依然として多数寄せられているが、最近になって新たな手口の相談が増加しているという。このフィッシング詐欺の主な手口は、宅配便業者を装ってショートメッセージ(SMS)を送信し、偽の再配達受付サイトなどに誘導するというもの。

これまでに確認されている手口は、誘導先の偽サイトで不審なアプリをインストールさせたり(Android端末の場合)、Apple IDとパスワードや電話番号を入力させたりする(iOS端末の場合)ものだった。最近はそれらに加えて、偽サイト上で運転免許証等の本人確認書類の写真を送らせる手口が登場しており、IPAには2020年4月から6月22日にかけてすでに50件ほどの相談が寄せられたという。

  • これまでの手口と新たな手口の違いのイメージ ー 画像:IPAより

    これまでの手口と新たな手口の違いのイメージ  資料:IPA

実際に運転免許証やマイナンバーカード、パスポートの写真などが悪意ある第三者に渡った場合の影響や被害については明らかにされていない。しかし、本人確認書類はさまざまなサービスの契約や契約解除、認証情報の更新などにも使うことができるため、悪意を持った第三者の手に渡れば悪用される危険性は十分にある。

もし不審なサイトでこれらの写真を送信してしまった場合、運転免許証であれば住んでいる地域の警察署に、マイナンバーカードやパスポートであれば交付元の自治体に相談するよう、IPAは呼びかけている。