ソニーネットワークコミュニケーションズスマートプラットフォーム(SNCSP)、SREホールディングス、SRE AI Partnersらは6月21日、3次元空間認識技術とIoTプラットフォームを活用した監視や見守りにおいて、データ通信量を1/100以下に削減するとともに、性能も向上させられるモニタリングソリューションのプロトタイプを開発したと発表した。

  • 3次元空間マップにより、データ量を削減しつつ人物(b赤い領域)と空間の距離や大きさを把握できるという

同社によると、実環境へのIoTの展開とAIサービスの提供に対し、データ通信量の増大が課題の一つとして挙げられるという。特に監視や見守りなどの分野では、ネットワークカメラを監視カメラに用いる際に、膨大な容量の映像データが通信回線をひっ迫することが、これまで導入の障壁となっていたとのこと。

そこで同社らは課題解決に向けて、映像から3次元空間情報を抽出し、映像そのものの通信を行うことなく分析に活用できるデータのみを、クラウド上のサーバに送信するソフトウェアのプロトタイプを開発した。

今回開発されたソリューションは、AI(人工知能)が映像から必要な情報のみを抽出することで、通信料を1/100以下に削減できるという。さらに同社の提供する、IoT事業者向けの回線およびその管理プラットフォームであるMEEQ(ミーク)を用いることで、複数のIoTカメラで観測された映像や、抽出された3次元空間情報などのデータを集約し管理できるとのこと。

同社は今後、監視および見守りの用途について、ショッピングモールや病院、工場などの不動産施設のモニタリングのほか、介護施設や在宅介護における見守りなどへの活用を推進するとしている。また、物流業界でも、庫内の空き空間などの3次元空間情報をリアルタイムで検知することで、業務支援につながるとしている。