リコーは、アーティストと同社のテクノロジー技術を融合した作品を展示する「RICOH ART GALLERY」をオープンし、初回の企画展示を6月5日より開始する。

記念すべき初回の企画展示は、梅沢和木氏とコラボレーションした「画像・アラウンドスケープ・粒子」。

  • 展示の様子

    「画像・アラウンドスケープ・粒子」の展示の様子

RICOH ART GALLERYは、新規事業創出に向けたリコーのアクセラレータプログラム「TRIBUS」から生み出されたアートプロジェクト「StareReap」が主催するものだ。

もともとは、同社のインクジェット事業部に所属していたメンバーで立ち上げたというStareReap。

リコーのインクジェット技術を用い、UVで硬化するインク(レジン)を何層も積み重ねることで凹凸や質感を表現する立体印刷技法“StareReap”を開発し、アートを組み合わせることで新しい魅力や発見につながればと、アートプロジェクトを立ち上げたという。

今回の展示では、梅沢氏が2Dのデジタル画像を描き、StareReapのエンジニアが立体データ化し、立体印刷技法であるStareReapを用いて印刷を行ったとのことだ。

  • 「画像の粒子 -Twelve Style-

    今回展示される絵のひとつ「画像の粒子 -Twelve Style-」

  • 凹凸

    横から見ると凹凸が感じられる

また、梅沢氏とStareReapのエンジニアとで会議を重ね、凹凸の度合いなどを調整。印刷では出せない、金色などの色や質感は梅沢氏が後から手作業で描き、完成させたという。展示で手作業の部分を探してみるのもいいかもしれない。

  • 梅沢氏が後から描きいれた質感

    このようなキラキラした質感や金色などは印刷で出すことはできないため、梅沢氏が後から描きいれたという

このように、2D作品にテクノロジー技術で凹凸や質感をつけ、テクノロジー技術では及ばない部分を手作業によるアナログで完成させた、まさに「デジタルとアナログの融合」を感じられる作品が15作品並ぶ。

梅沢氏に見どころを伺うと「1年前には黒をベースとした作品が多かったが、今回の展示では最近作成していなかった白を基調とした作品が何点かある」という。

StareReap事業責任者の野村敏宏氏は「このような大変な時期だからこそアートの力を感じてほしい。新しい表現方法としてテクノロジーは無限の可能性がある。それを堪能してもらえたら」とコメントを寄せた。

今後、RICOH ART GALLERYではデジタルとアナログを融合させた展示を9つ企画しているという。

梅沢和木氏とコラボレーションした「画像・アラウンドスケープ・粒子」は6月5日~7月3日まで銀座・三愛ドリームセンターでの開催を予定しており、来場には事前の予約が必要となっている。

  • 梅沢和木氏とStareReap事業責任者の野村敏宏氏

    梅沢和木氏(右)とStareReap事業責任者の野村敏宏氏(左)