米モデルナは4月29日(米国時間)、投与量100μgの承認済み新型コロナワクチン、 および投与量がより少ない可能性のある変異株向けブースターワクチン候補薬と小児向けワクチンが承認された場合にはそれらすべてを合わせ、2022年のグローバルな新型コロナワクチン生産量を最大30億回分まで拡大することを目指し、提携先を含めた製造施設での生産能力強化に向けた新たな資金投入を決定したと発表した。
これらの投資により、Lonzaがスイスに有する施設での原薬製造能力の倍増、Roviがスペインに有する施設での配合、充填、および完成までの製造能力と原薬製造能力の倍増、およびモデルナの米国施設での原薬製造能力の50%増が可能となるという。また、これらの投資が完了した段階では、確約済み数量の供給に使用する原材料と完成品の安全在庫も拡大するともしている。
このモデルナならびに同社の提携先製造施設での投資は2021年内より開始され、それによる生産量の拡大は2021年遅くから2022年初めに反映され始める見込みだという。
また、モデルナは、2021年の製造能力の予測についても8億~10億回分へと引き上げている。
なお、モデルナの新型コロナワクチン「mRNA-1273」は、冷蔵下(2~8℃)で最長1か月間、 標準的冷凍下(-20℃)では最長7か月の保存が承認されているが、同社では冷蔵下での保存期間をさらに延長する新たな製剤形態ならびに次世代ワクチン「mRNA-1283」の開発も現在、進行中であるとしている。