KDDI、日立製作所(日立)、NEC、沖電気工業(OKI)の4社は2月9日、「AIネットワーク統合基盤」を活用し、5Gネットワーク障害時の自動復旧システムの有効性を確認する実証実験を2021年1月25日より開始したと発表した。

同実証実験は、情報通信研究機構 (NICT) と共同で受託した総務省情報通信技術の研究開発における「革新的AIネットワーク統合基盤技術の研究開発」の一環として取り組まれ、2023年以降の社会実装を目指している。

  • 「AIネットワーク統合基盤」を活用した実証実験イメージ

具体的には、ネットワーク事業者、システムインテグレーション事業者、サービス事業者が連携し、AIの活用により、5Gのスタンドアローン (SA) 構成で主流となる仮想化されたネットワークを自動的に構築・運用することを目指す。

  • 各社の役割とこれまでの成果

これにより、AIがネットワークの障害を検知した際に、例えばコネクティッドカーの通信制御をマルチアクセスエッジコンピューティング (MEC:通信端末に近い場所にサーバーを配置することで通信の遅延時間を短縮させる技術)に配置し最適化するなど、自動的にネットワークを再構築することで、ボトルネックの解消を図るとのことだ。

なお同実証実験は、NICTが運営するICT開発の基盤となる超高速研究開発ネットワーク試験用環境「JGNテストベッド」を用いて、ネットワーク機能を仮想化した5Gコアネットワークに加え、MEC機能やクラウド機能を構築して実施される。

KDDI、日立、NEC、OKI、NICTの5者は今後も、世界に先駆けたAIによる運用自動化技術の確立に向けて研究開発を進める方針だ。