埼玉県鴻巣市教育委員会は、同市内の児童・生徒・教職員向け教育ICT基盤をMicrosoft Azureによりフルクラウド化して2021年4月に利用開始すると共に、同市内の小学校全19校及び中学校全8校の教職員と児童・生徒へ1人1台PCを導入する。なお、同ICT環境のシステム構築及び運用支援は内田洋行グループが担当する。

  • 教育ICT環境整備後のイメージ

同教委は2019年9月に「鴻巣市学校教育情報化推進計画」を策定し、「未来の創り手となる子どもたちが、これからの時代に求められる資質・能力の習得が可能となる学校教育を実現するため」に教育ICT環境の構築とICTの利活用を掲げ、整備を推進している。

マイクロソフトと内田洋行によるとこのクラウド環境は、学術情報ネットワークであるSINETとAzureを、国内の教育委員会としては初めて接続したICT環境だという。Azureを始めとするマイクロソフト テクノロジの採用理由は、国内外の教育現場での実績が多いこと、また文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」で推奨する ISO27018やISO27701などの個人情報規定の認証を取得していることなどをマイクロソフトは挙げている。

同教委は、児童・生徒用端末としてデル・テクノロジーズのLatitude 3190 Education 2-in-1を8509台、教職員用端末としてMicrosoft Surface Pro 7を650台、それぞれ配備する予定。

また、端末配備と同時にOffice 365などのライセンスを全児童・生徒に付与し、教職員の校務用プラットフォームとしてAzureとMicrosoft 365 Education(A5セキュリティ)を導入することで、Windows端末とクラウドサービスを組み合わせた高度で高セキュアな教育ICT環境を、マイクロソフトのソリューションで一元的に提供するとのこと。

マイクロソフトは、Windows端末とMicrosoft TeamsやMicrosoft Streamなどのクラウドサービスの利用により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下でも子供たちの学びを止めない学習環境を実現可能だとしている。

一方、内田洋行は基盤整備の特徴として、先端的な教育ICT環境での充実した運用支援の構築、学校から家庭までいつでもどこでもだれでも学習できる環境、授業・学習でPCをより使いやすくする学習ポータルとデジタル教科書、児童・生徒の成長を見守る統合型校務支援システム、SINET に直結したクラウド基盤の実現の5点を挙げている。

教職員の指導力や児童・生徒のICT活用の向上を支援するため、2021年度は27校に対してICT支援員を3人体制で配備し、2022年度以降は2人体制に移行する。利用時の学校専門のヘルプデスクやオンサイト保守や、データ検証、アンケート調査、ヒアリングを実施すると共に、教職員の授業デザインを支援するために情報活用能力の習得に向けたワークショップや教職員研修のサポートも行う。

学習ポータルとしては、PC起動時に多様なアプリや検索ツール、ユーザーの管理などをまとめたの学校向け教育ポータルである「L-Gate(エルゲイト)」を導入し、授業で使う教材は、同社の教育コンテンツクラウド配信サービスである「EduMall(エデュモール)」やオンラインドリルなどを提供する。

校務支援システムに関しては、校務事務フローの電子化により、文書管理機能として教育委員会からの照会などの収受から回答までのワークフローの電子化・電子決裁等、機能を強化したという。また、QRコードを利用した勤怠管理機能と連携し、研修会案内などの文書通達から行事登録、出張管理、出勤簿作成、スケジュール入力までの一連の流れを完全ペーパーレス化し、教職員の大きな負担軽減に繋げたとしている。

今後はIMS国際技術標準である「OneRoster」を利用し、名簿情報の更新など教職員の負担軽減や、校務系データと複数の学習系データの連携による多様な角度からの分析を目指すとのこと。