アドバンテックテクノロジーズ、ビットメディア、さくらインターネット、セトルの4社は12月21日、九州大学 グローバルイノベーションセンター・原田研究室(原田裕一教授)と共同で、エッジ・クラウドの人工知能(AI)を活用した社会課題・産業的課題を解決するための研究を開始すると発表した。共同研究では、COVID-19感染拡大抑制、河川氾濫による被害拡大防止のような社会的課題、および製造業に代表される高齢化による生産効率低下や後継者不足のような産業的課題を、具体的事例研究から各種AIモデルを構築するとともに、概念検証を進めるエコシステムの構築を進めていく。

  • 研究体制

    研究体制

研究目的として「エッジ・クラウドAIサービス」による社会課題・産業的課題解決のための共同研究に加え、地域、大学、産業界を結んだ地域振興のためのエコシステム構築による概念実証としている。

研究内容は(1)「COVID-19感染拡大抑制のためのAIモデルと統合オペレーションシステムの研究」、(2)「河川氾濫による被害拡大防止のためのAI水位予測モデルの研究とその応用」、(3)「概念実証のためのエコシステムの構築」の3つに取り組む。

AIモデルと統合オペレーションシステムの研究では、学生寮や温浴施設などの監視カメラの映像を利用し、その映像データから得られる住居者、来客の密の発生検知、その密の継続する時間にもとづき警報をあげるAIモデルの研究。また、エントランスでの顔認証、検温スクリーニングの結果と、監視カメラにより記録する映像をもとに、感染者が発生した際に当時の行動をトラッキングできるAIモデルの研究となり、これらの情報をクラウドシステムに送信し、複数拠点のCOVID-19感染抑制オペレーションを統合的に実施できるシステムの研究を行う。

AI水位予測モデルの研究とその応用については、河川に設置された水位センサ、流速・流向センサ、雨量センサなどから得られた情報をもとに、将来の水位の予測を行うAIアルゴリズムとモデルの研究、水位の予測を行うAIアルゴリズムを用いた、通信トラフィック予測などのその他の応用についての研究を行う。

エコシステムの構築に関しては、(1)および(2)を含めた社会的・産業的課題解決のための研究で得られた各種AIモデルを実社会において概念実証を行うためのエコシステムの構築に取り組む。