藤田医科大学(藤田医大)は9月23日、2.0mg/L以下の低濃度オゾン水による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化を実験的に明らかにしたと発表した。同成果は、同大の村田貴之 教授らによるもの。
先行研究では、10mg/Lという高濃度オゾン水であれば新型コロナウイルスに対する有効性が報告されていたが、より低い濃度での効果については不明となっていた。今回の研究はその低濃度での効果に関する確認を行ったというものとなる。
具体的には、1μLのウイルス液を、100μLのオゾン水と混合し、一定時間後に20%ウシ胎児血清添加の培養液(899μL)で縣濁して反応を停止させ、ウイルスを回収した後、4日後のウイルス力価の評価を行うという試験方式を採用。その結果、オゾン濃度0.4 mg/Lのオゾン水で10秒処理することでウイルス力価が5.8%に、同1.0mg/Lのオゾン水では0.70%に、そして2.0mg/Lのオゾン水では0.1%未満にまで抑制されることが確認されたという。
なお、研究チームでは、手指消毒、飲料水消毒、歯科・眼科診療、医療器具洗浄などには、2.5mg/L以下のオゾン水を使用することが一般的だが、今回の研究から、それ以下の低濃度オゾン水であっても、十分な量を使用することで新型コロナウイルスを不活化できることが示されたとしており、消毒用アルコールが不足する事態が生じても、水とオゾン水生成装置を活用することで、保存がきかないので、その都度、用事調整の必要があるが、備えとして活用できるものと考えられると説明している。