同プロジェクトでは、アフターコロナにおける物流変革を見据え、薬局や病院などに対する医薬品のドローン配送や駅周辺施設のフードデリバリー・警備など、ドローンサービスに関するビジネスモデルを検討し、2021年度に東京都内で行う予定の実証実験を通じて運用の課題や収益性などを検証する。想定対象エリアは、都内湾岸エリアおよび都心の駅周辺、実施期間は8月~2022年3月までとなる。

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    プロジェクトのイメージ

近年、ドローンの利活用促進のための環境整備や技術開発は進みつつあり、政府の成長戦略や官民協議会の定めるロードマップにおいても、2022年度をめどに有人地帯でのドローンの目視外飛行を可能にすることを目標としている。東京都は有人地帯での目視外飛行の実現を機に、ドローンを活用した物流ビジネスなど、空の産業革命に対応する新たなビジネスの速やかな社会実装を目指すため、ドローン関連のビジネスモデル構築を2021年度までの2カ年度で支援する。

同プロジェクトにおいても、医薬品物流領域および駅周辺の物流領域をメインとする輸送サービスの検証を実施し、社会実装に向けたドローン配送の効果的な運用オペレーションの構築を目指す。

具体的には、医薬品配送や駅周辺施設の活用を中心としたドローン物流サービスのビジネスモデルを検討・フィールド実証を行い、ビジネスモデルの収益性向上を検証する。

生産年齢人口の減少、荷物の小口化と多様化により、物流分野におけるドライバー不足が顕在化しているほか、新型コロナウイルスの蔓延により、物流分野においても人を介さない非接触やソーシャルディスタンスを確保する生活様式の変化に対応することが求められている。ドローン物流基盤の構築には、モバイル通信を活用したスマートドローンプラットフォームを活用し、都市部における安心・安全な空の運航を実現するという。

医薬品のドローン配送では緊急時や災害時を想定し、メディセオの拠点から聖路加国際病院に向けた医療用医薬品配送を実施し、既存物流の代替または新たな手段としてドローンを実装。ドローンによる即時輸送、非接触による医薬品配送により、医療技術や公衆衛生の向上に寄与するとしている。

また、駅周辺施設を活用したフードデリバリーや警備などのサービスでは、駅周辺施設において飲食店から周辺オフィスなどへドローンを活用したデリバリーサービスの実証を検討し、駅周辺施設における巡回警備などにおけるドローン活用の実証を検討する。

各社の役割として、KDDIはプロジェクト全体取りまとめ、4G LTEを活用したスマートドローンプラットフォームの提供、JALは安全管理、ドローン物流モデルのフィージビリティ評価、医薬品配送のビジネスモデル構築、JR東日本は駅前およびその周辺施設におけるロケーションの提供、フードデリバリーサービスのビジネスモデル構築巡回警備などにおけるドローン活用の検討、ウェザーニューズは高精度気象予測情報・気象観測装置の提供、有人ヘリとの連携、Terra Droneは有人航空管制連携を含めた航空管制プラットフォームの提供をそれぞれ担う。