NHK放送技術研究所は7月27日、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術を活用して遠隔地の人と同じ空間でコンテンツを視聴しているように感じることができる、空間共有コンテンツ視聴システムを開発したと発表した。

同システムにより、例えば、遠隔地にいる友人が自分の隣に座っているように感じながら、水族館のVR映像を楽しむことができるという。

  • 水族館のVR映像を視聴する場合に自分が見ている映像

また、遠隔地にいる友人の3次元映像は、距離センサー付きのカメラでリアルタイムに撮影され、通信経由で伝送される。同様に自分の3次元映像も友人に伝送され、友人が見ている水族館のVR映像に合成表示されるので、お互いに会話や身振り手振りを交えたコミュニケーションを取りながら、同じコンテンツを視聴することが可能だ。

  • システム概念図

さらに、カメラ付きのヘッドマウントディスプレーを使うことで、自分の部屋にAR技術で合成される出演者の3次元映像を、遠隔地にいる友人とコミュニケーションしながら視聴することもできる。

  • AR合成された出演者の3次元映像を視聴する場合に自分が見ている映像

同社は今後、同システムを使って、離れた場所で一緒に同じコンテンツを視聴する場合の提示方式やコミュニケーションを支援する技術などの研究開発を進め、将来の新しい視聴スタイルの実現を目指す方針だ。