世界保健機関(WHO)は6月17日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への効果検証が進められていた抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の臨床試験(治験)を取りやめたことを明らかにした。
これは、これまでのデータから死亡率の低下の有効性が見られないためで、すでに米食品医薬品局(FDA)は先行して6月15日に同薬の新型コロナウイルスの予防や治療を目的とした緊急使用許可の取り消しを発表していた。
また、これと併せてWHOではステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」について、初期の調査結果として、酸素吸入器を用いる患者での死亡率が約5分の1に、人工呼吸器を必要とする患者での死亡率が約3分の1に減少することを確認したという。ただし、こうした呼吸器のサポートを必要としない軽度の患者では有益な効果がないことも確認されており、別の治療法を引き続き探索していく必要があるともしている。