凸版印刷は3月16日、同14日に開業したJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」に、多言語AI案内サイネージ「BotFriends Vision(ぼっとふれんず ビジョン)」を提供したと発表した。同サイネージは、同社が2018年から提供しているAIを活用した多言語案内サイネージ。過去にはJR東京駅や横浜駅で実証実験を行い、AIとバーチャルキャラクターの遠隔操作を組み合わせた駅案内の有用性を検証しきた。今回、同駅に設置されることで、駅利用者の利便性を向上させ、国内外からの利用者のおもてなしを支援するという。

  • 左から多言語AIサイネージ「BotFriends Vision」、バーチャルキャラクター「小石川 彩」

    左から多言語AIサイネージ「BotFriends Vision」、バーチャルキャラクター「小石川 彩」

同サイネージの特徴として、チャットボットプラットフォームに同社のBotFriendsを活用し、用意された質疑応答集の通りに回答するのではなく、行動経済学と同社がコールセンター対応で培ってきた顧客対応ノウハウに基づき、利用者の気持ちに寄り添ったおもてなし対応を可能にするほか、音のバリアフリースピーカー「ミライスピーカーを搭載しており、高齢者や大勢の人混みの中でもクリアな音で案内が可能だという。

また、多言語対応のAIチャットボットは情報通信研究機構(NICT)のニューラル機械翻訳(NMT)エンジンなどを使用し、音声やテキストでの翻訳を可能とし、今回の同駅の実地検証においては、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応。なお、翻訳エンジンは同社が提供する最新の多言語音声翻訳サービス「VoiceBiz」にも活用されている。

さらに、画面上に表示されたバーチャルキャラクター「小石川 彩」を遠隔地から操作することで、遠隔地にいてもインタラクティブなやり取りが可能。普段はAIチャットボットが対応し、呼びかけがあった場合に遠隔操作に切り替えることで少人数での効率的な案内・接客を可能としている。

加えて、同駅に導入されるBotFriends Visionは、従来の物と形状が異なり、車いすでも利用しやすい高さ・画面幅に設計し、駅利用者の利便性向上に貢献するという。