リンクスは11月7日、フィンランドNavitecと総代理店契約を締結し、2020年3月よりNavitecが開発・製造するAGV(無人搬送車)向けナビゲーションソフトウェア「Navitrol」の日本での提供を2020年3月より開始することを発表した。
AGVの自動運転を実現する方法としては主に、床に貼ったQRコードや磁気テープを読み取って、行動する方法や、壁に貼った反射板で自機の位置を把握する方法などがあるが、いずれも一長一短がある。さらに、近年はLiDARを用いて、マップ情報とLiDARで取得した地形データを比較してより自由度の高い自動走行を可能とする自律走行型サービスロボットも次々と登場してきたが、NavitrolもそうしたLiDARベースの「Natural Future Navigation(NFN)」をAGVで実現するために提供されるソフトで、これを活用することで、周辺環境マップの作成や搬送経路作成、複数台のAGVを効率的に運用することが可能なフリートコントロール、動的経路変更などを簡単に設定することが可能になるという。
自由に移動が可能になるということは、今後流行るであろうレイアウトフリー生産ラインへの柔軟なAGVの対応といったことも可能となることが期待されるが、Navitecはあくまでソフトベンダであり、ハードウェアの販売はしないという。そこでリンクスとしては、そうしたAGVの製造・販売を行っている企業や、SIerなどを中心に次世代AGVを実現したいというニーズに応える形で、単にソフトの販売だけではなく、Navitecが培ってきたノウハウを元にしたコンサルティングや、リンクスのエンジニアなどを交える形でのAGVを含めた開発支援なども進めるとしており、自動車や物流業界を中心にAGVソリューションを提供したいカスタマの支援を行っていくことで、2027年には約10億円の売り上げを目指すとしている。