京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は11月6日、同社の公共図書館システムである「ELCIELO」と同社グループのRistが提供する画像解析AI(人工知能)を組み合わせた、蔵書点検システムの開発を開始したと発表した。まずはタブレットなどで撮影を行うことを想定し、2020年2月の提供開始を目指す。

同社が開発を進めている蔵書点検システムでは、まずスマートフォンやタブレットなどで図書館の書架一面を撮影し、画像データをRistの画像解析AIに取り込む。

続いて、画像に写る複数冊の書誌の背表紙からタイトル・著者名・分類番号をAIが分析、図書館が保有する書誌登録データベースとマッチング・照合し、蔵書点検を行う。

これにより、手作業で1点ずつ点検する必要が無く、写真撮影によりまとめて蔵書点検できるようになるとしている。

  • 蔵書点検のイメージ

なお、書架の撮影については、将来的にはドローンなどを駆使し、無人状態での撮影自動化にも対応する構想とのこと。

また、撮影した背表紙画像データと図書館システムの書誌データを利用し、自宅などからでも図書館を体験できるバーチャル図書館の開発も検討するという。

同社は同市ステムを、11月12日から14日に横浜市で開催予定の「第21回図書館総合展」に出展する。

また同社は同システムに加え、図書館運営の負担となる高額なIC関連機器の導入コスト削減を目的に、来館人数のカウント機器として導入しているICゲートに代わるシステムの開発も計画しているという。 ICゲートの代用システムには、ABEJAの画像解析技術である「ABEJA Insight for Retail」を採用する予定だ。